山村昌

山村昌について

山村昌（やまむら さかえ、1918年2月26日 - 2005年6月7日）は、日本の電気工学者として特にリニアモーターの理論的研究で広く認識されています。彼は大正7年に鳥取県に生まれ、父は第9代鳥取市長を務めた山村栄太郎でありました。彼の長女である松本和子も著名な化学者です。

略歴

山村昌は、1936年に鳥取県立鳥取第一中学校（現在の鳥取県立鳥取西高等学校）を卒業後、東京大学工学部電気工学科に進学し、1940年に卒業しました。卒業後は同大学の助手となり、1943年から1944年にかけて講師や助教授として在職していました。1950年にはオハイオ州立大学に留学し、1953年に博士号を取得します。その後、1956年に東京大学工学部教授に就任しましたが、数年後の1959年には横浜国立大学の教授に転任し、1963年には工学院大学の教授となります。また、1969年には電力中央研究所の理事に就任し、1984年には名誉理事に選ばれました。1983年に工学院大学の定年を迎えた後も名誉教授として研究活動を続けました。2005年、東京の病院で逝去し、87歳という生涯を終えました。

研究

山村はリニアモーターの理論的研究において多くの重要な貢献をしました。特に、誘導機型リニアモーターに関する基礎方程式や推力特性、安定性の研究は彼の名を広めました。リニアモーターの実用化に向けて、新交通システムやリニアモーターカー等のアイディアを提唱し、実験を重ねることでその現実化に貢献しました。山村の研究はとりわけ日本を越えて国際的な技術の発展にも寄与し、リニアモーター技術の向上に寄与しました。

加えて、彼は電気機器や電力システムの設計や制御に関する研究にも従事し、著書としては『電気機器設計法』や『電気機器制御法』があり、多くの学生たちの指導にも力を注ぎました。電気工学の教育や普及を推進する活動として、電気学会やIEEEなどの各種学会でも積極的に役割を果たしました。また、国際規格に基づく技術用語集の編纂にも関わり、特殊な分野の知識を広めました。

受賞歴

彼の業績は数々の受賞によって評価されています。1982年にはIEEEニコラ・テスラ賞を受賞し、「リニアモーターの理論と応用に関する貢献」が評価されました。また、1983年には第73回日本学士院賞も受賞しました。

主な著作

山村昌は多くの論文や書籍を執筆しています。初期の代表的な論文には、1950年の『Immobility phenomena and reverse driving phenomena of the electric arc』があり、他にも博士論文「アークの磁気駆動を受けている電弧の膠着現象と逆駆動現象」なども発表しています。また、著作物としては『制御用電気機器』や『Theory of linear induction motors』など、多岐にわたるテーマを扱った書が存在します。彼の研究成果と業績は、後世の研究者たちに多大な影響を与えています。

まとめ

山村昌は、自身の研究と教育者としての活動を通して日本の電気工学界に大きな影響を与えた人物です。特にリニアモーターの理論と応用の研究は多くの技術革新に繋がり、多くの学生や研究者に深い影響を残しました。彼の業績は、今なお技術の発展に寄与し続けています。

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