山東野戦軍

山東野戦軍とは

山東野戦軍（さんとうやせんぐん）は、中国共産党によって国共内戦中に編成された軍にあたります。この部隊は、山東省において、主に新四軍と八路軍の地方部隊の流れを汲んでいます。後には、華中野戦軍と統合され、最終的には華東野戦軍として発展することとなりました。

設立の背景

対日戦勝後、中国共産党は「北に向かって発展し、南に向かって防御する」という戦略を掲げました。この方針にのっとり、1946年に羅栄桓を先頭に山東軍区部隊が東北部へ進出し、陳毅をはじめとする多くの指揮官が華中から北上して山東解放区の発展に寄与しました。

1946年1月7日、党中央の指示により、新四軍の指揮機関が山東軍区の司令部としての役割も果たすことになり、陳毅は山東軍区の司令員に、また政治委員には饒漱石が就任しました。山東軍区は、浜海、魯中、魯南、膠東、渤海の5つの二級軍区を管轄し、総兵力は約20万人に達しました。その直後に山東野戦軍が組織され、戦力を整えました。

部隊の編成

山東野戦軍の指揮官は陳毅が司令員として、黎玉が政治委員、宋時輪が参謀長、唐亮が政治部主任に任命されるなど、明確な指揮体系が整えられました。部隊編成は以下の通りです。

• - 第1縦隊

- 司令員: 葉飛
- 政治委員: 頼伝珠
- 第1旅
- 第2旅
- 第3旅

• - 第2縦隊

- 司令員: 羅炳輝
- 政治委員: 趙啓民
- 第4旅
- 第5旅
- 第6旅

• - 第7師

- 師長: 譚希林
- 政治委員: 曾希聖
- 第19旅
- 第20旅
- 第21旅

• - 第8師

- 師長: 何以祥
- 政治委員: 丁秋生
- 3個団

合計の兵力は約7万4000人に及び、全体として華中及び山東地区の解放を目指しました。

軍事活動

山東野戦軍が編成された直後、中央軍事委員会は旧汪兆銘軍に対し攻撃を開始しました。この活動により、約4万人の敵軍を撃退し、90以上の町や村が解放される結果を得ました。1946年3月以降、山東と華中の軍は「百日」大練兵を実施し、戦闘準備を整備しました。

1946年の夏、蒋介石は華東地域に対して大規模な攻撃を仕掛け、約50万人の兵力を動員しましたが、山東及び華中の部隊は分散して迎撃に成功し、最終的には約30万人の敵軍を撃滅しました。

消滅とその後

1947年の冬、山東軍区および山東野戦軍は廃止され、新たに華東軍区と華東野戦軍が編成され、歴史の一ページを閉じることとなりました。

本部隊の活動は、中国共産党の戦略的な勝利の一環として重要な役割を果たし、国共内戦の流れに大きな影響を与えました。

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