新四軍

新四軍の歴史と活動

新四軍（しんしぐん、簡体字：新四军、拼音: xīnsì-jūn）は、中国工農紅軍が形成した軍隊組織であり、特に第二次国共合作の下で華南地域で再編成されました。その正式名称は国民革命軍新編第四軍であり、別名として陸軍新編第四軍とも呼ばれます。この軍隊は中国共産党軍が主体をなしており、抗日統一戦線における国民軍としての役割を果たしました。

成立の背景

新四軍は、1934年に中国国民党軍の攻撃を受け、共産党軍であった中国工農紅軍が瑞金の根拠地を放棄した後、長征を余儀なくされることから始まります。しかし、彼らの中には根拠地を維持するために一部の部隊が残りました。1936年には西安事変が発生し、第二次国共合作が成立。これを受けて、1937年には華北地区で八路軍が設立され、同時に江西省から浙江省、さらには安徽省に至るまでの紅軍や遊撃部隊が新四軍に編入されました。

組織の特異性と矛盾

新四軍は抗日統一戦線としての部隊である一方、実際には中国共産党によって指導されていました。この点は八路軍と似ていますが、華南地域における国民党政府の強い影響下で、共産党系の軍隊がどのように行動するかには多くの矛盾が存在しました。たとえば、葉挺という国民党員が軍長になり、項英という共産党員が副軍長に就任することが、その象徴です。初めに新四軍は共産党の軍隊と見なされることなく、抗日戦線の一部として国民党の指揮下に入っていました。

指揮官と兵力配置

新四軍の初期指揮官は葉挺が軍長、項英が副軍長という構成でした。しかし、1941年には皖南事変が発生し、葉挺が国民党に拘束された後、陳毅が代理軍長として指揮を執ることになります。当初、新四軍は四支隊と一特務部隊を持ち、約1万人の兵力で編成されましたが、皖南事変の後に陳毅が軍長代理、劉少奇が政治委員として指揮陣に入ります。これにより華南に展開していた八路軍の一部が統合され、7部隊1旅団に再編され、兵力は約9万人に増強されました。

活動と戦闘

新四軍は主に抗日戦線に参加しましたが、その活動地域が内陸や華南に限られたため、八路軍に比べて日本軍と交戦する機会は少なかったと言われています。実際に、国民党軍との対峙に直面することが多く、日本軍の撤退を数か月遅れて追ったこともあります。また、日本敗戦後には日本兵を対国府軍として勧誘する活動も行われました。この勧誘に対しては、日本軍内部から「ついて行かないように」という命令が出ていましたが、中にはこの誘いに応じて行方不明になった者もいたとされています。

新四軍の消滅

最終的に新四軍は1947年に八路軍と共に中国人民解放軍に統合され、消滅を迎えました。

関連項目

• - 八路軍
• - 中国人民解放軍
• - 皖南事変
• - 日中戦争
• - 第二次国共合作

このように、新四軍は中国の近代史において特異な存在であり、その活動や背景には多くの歴史的な複雑さが関与していました。

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