山梨県民会館

山梨県民会館について

山梨県民会館（やまなしけんみんかいかん）は、昭和時代に建設された山梨県甲府市の歴史的な文化施設であり、地域社会において重要な役割を果たしていました。この施設は、県庁に附帯する形で設計され、甲府市の中心に位置していました。

概要

この施設は、1957年に公会堂棟が、1960年には事務棟が竣工しました。設計したのは山梨県出身の著名な建築家、内藤多仲です。元々は1956年に完成予定でしたが、用地の取得や設計にかかる遅れが影響し、公会堂と事務所棟を別々に建設することになりました。事務棟は当初、5階建てとして計画されていましたが、最終的には公会堂と共に建設されました。

公会堂棟は多目的ホールを有し、事務棟内には地下展覧会場、7階に結婚式場、最上階には「山梨会館」というレストランが配置されていました。全体の工費は約3億5700万円で、そのうちの1億円は水力発電にかかる水利権を取得した日本軽金属からの寄付によって賄われていました。

当施設は当時、山梨県で最も高い建物とされ、今でも甲府の象徴的な存在とされています。しかし、時が経つにつれて周辺には新たな結婚式場や多目的ホールが増加し、需要が分散したことで、結婚式場やレストランは次第に閉鎖されることとなりました。公会堂も利用が減り、経年劣化が進んだため、1999年には閉鎖され解体され、跡地は県の駐車場として利用されることになりました。

また、1988年には1階に献血ルームが設置されましたが、これは2012年にココリの2階に移転されたため、閉鎖されました。事務棟についても築50年を迎え、耐震補強が不可欠と診断されたことから、当初は免震工事が計画されました。しかし、周囲の土地の制約により、実施が困難となり、最終的には改修を行わず展示場は2014年に閉鎖されました。その後、県の各部署も2015年に新しい山梨県庁舎へ移転し、同年7月からは解体作業が開始されました。

現在の状況

今日、かつての山梨県民会館の跡地は県庁の駐車場として利用されていますが、2018年12月からは舞鶴城公園の一部として新たな利用が進められています。文化施設の役割を果たしたこの場所は、現在も地域の人々に親しまれています。

まとめ

山梨県民会館は、設計者の内藤多仲の優れたデザインとともに、地域の文化と社会に寄与してきた歴史ある施設でした。現在も続く舞鶴城公園としての再利用は、地域の人々に愛され続けることでしょう。

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