山梨県環境整備センター

山梨県環境整備センターの概要と歴史

山梨県環境整備センター、通称明野最終処分場は、山梨県北杜市明野町に位置する廃棄物の最終処分場です。運営は山梨県環境整備事業団が担当していますが、2013年をもって閉鎖措置が取られました。それでも、既に搬入された廃棄物の管理は現在も続けられています。

設備の概要

このセンターは2009年に操業を開始し、一般廃棄物と産業廃棄物の受け入れを行ってきました。県内で唯一の産業廃棄物の最終処分場として、当初は5.5年の埋立期間が予定されていましたが、経営上の問題と環境に関するトラブルが影響し、わずか4年間で閉鎖が決定しました。

具体的な施設の面積は全体で11.2ヘクタール、そのうち本体は7.8ヘクタール、埋立容量は約281,000立方メートルで、うち207,000立方メートルが廃棄物として埋め立てられることが planned でした。また、出水処理能力は80立方メートル / 日と設定されていました。

歴史の経緯

この処分場は、1990年代からその必要性が叫ばれていました。当時、他県の処分場に委託していたため、各地の処分場が満杯になり、自県内で処理を行う「自県内処理」の姿勢に変化していきました。1993年には、政府が公共機関が関与する形での産業廃棄物最終処分場整備方針を打ち出し、山梨県内の5つのエリアで整備が模索されました。

その後、明野村に設置されることが決まり、村や地元の区長は道路整備を条件に1994年に建設に同意しました。しかし、環境破壊を懸念する住民たちは強い反対運動を展開し、対立が激化。結果として、測量の妨害活動が行われ、県は東京地方裁判所に仮処分を求める事態となりました。2006年に公害防止協定が締結され、村との対話を経て、建設がついに開始されました。

操業の開始とその後の課題

2009年に操業が開始された明野処分場でしたが、国が廃棄物のリサイクルを義務付ける法律を施行したことから、産業廃棄物の量が大幅に減少しました。また、競争による影響もあり、操業1年目の収支は予測を大きく下回り、35億円の赤字を計上することとなりました。

さらに、2010年には水漏れを感知するシステムが作動し、操業が一時停止。一般廃棄物のみを受け入れる方針で再開されましたが、2012年にも同様の事態が発生し、経営は一層厳しくなりました。最終的に、2013年には施設の閉鎖が決まり、計画的な埋立量の22.9%しか実現されないまま終焉を迎えました。

現在と今後の対策

明野処分場の閉鎖後は、次の処分場として笛吹市に境川処分場が計画されていますが、環境問題や減少する廃棄物量により、開設予定が遅延しました。2018年に新しい施設として「かいのくにエコパーク」が創設され、準備が進んでいます。

さらに、管理を行っていた業者に対しては山梨県が14億円の損害賠償を求めて提訴しましたが、裁判では県側の請求が棄却され、その損失は県の負担となりました。

今後は、このような問題を反映しながら、持続可能な廃棄物処理の方策を探る必要があると言えるでしょう。

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