山王 (金属製品)

株式会社山王について

株式会社山王（SANNO Co., Ltd.）は、電子部品の貴金属表面処理加工を主要な事業とする日本の企業です。その技術力は、創業以来、電子機器の小型化、高性能化に貢献してきました。以下に、同社の概要、沿革、および主な事業内容について詳しく解説します。

概要

株式会社山王は、1955年に創業者である荒巻芳太郎氏が川崎市上丸子山王町に山王鍍金工業所を設立したことが始まりです。この創業地が、現在の社名の由来となっています。当初は弱電機部品の銀めっきを専門とする個人企業でしたが、高度な技術開発と量産体制の確立により、業界をリードする企業へと成長しました。特に、均一な光沢を持つ厚付けめっき技術の開発は、その後の事業拡大の基盤となりました。

沿革

株式会社山王の歴史は、技術革新と事業拡大の連続でした。以下に、その主な出来事を時系列でまとめます。

1955年10月: 荒巻芳太郎氏が川崎市上丸子山王町に山王鍍金工業所を創業。弱電機部品の銀めっきを専門とする個人事業を開始。
1956年: 均一光沢厚付け銀めっき技術を確立し、本格的な量産を開始。
1958年8月: 有限会社山王鍍金工業所を設立。プリント配線基板用の金、ロジウムめっき装置を開発。
1959年3月: 工場を増築し、電気部品の金めっきを開始。多層めっきや部分厚付けめっき技術を確立。
1967年1月: 横浜市港北区に新工場を移転。
1969年: 山王鍍金株式会社に組織変更。
1978年: 研究棟を新築し、技術開発を強化。
1979年: 特殊フープめっき装置を開発。
1982年9月: 福島県郡山市に郡山工場を開設。
1987年11月: パラジウムフープめっき技術を開発し、量産を開始。
1992年9月: 神奈川県伊勢原市に鈴川工場を開設。
1995年3月: 神奈川県秦野市に秦野工場を開設。
1995年10月: フィリピンにSPMCを設立し、海外展開を開始。
1995年4月: 株式会社山王に社名変更。
1996年3月: 本社ビルを建設。
2000年12月: 増資を行い、資本金を2億3900万円に変更。
2003年5月: 中国に山王電子（無錫）有限公司を設立。
2005年4月: 福島県郡山市に東北工場を開設。
2005年4月: 増資を行い、資本金を4億6000万円に変更。
2007年3月: 郡山工場を東北工場に統合。
2007年4月: 福島県郡山市に東北第二工場を開設。
2007年10月: ジャスダック証券取引所に上場。
2010年2月: 山王電子（無錫）有限公司で超微細加工スポットめっきを開始。
2011年6月: 東北工場で超微細加工のスポットめっきを開始。
2012年3月: SPMCで超微細加工スポットめっきを開始。

主な事業内容

株式会社山王は、主に以下の事業を展開しています。

電子部品の貴金属表面処理加工: 金、銀、パラジウム、ロジウムなど貴金属を用いためっき加工。
フープめっき: 連続的なめっき処理を可能にするフープめっき技術。
超微細加工スポットめっき: 高度な微細加工技術を必要とするスポットめっき。

これらの技術は、スマートフォン、パソコン、自動車など、幅広い電子機器に利用されています。

海外展開

株式会社山王は、海外にも積極的に展開しています。フィリピンのSPMC、中国の山王電子（無錫）有限公司は、グローバルなサプライチェーンの中で重要な役割を担っています。これらの海外拠点では、現地のニーズに合わせた製品とサービスを提供し、国際的な競争力を高めています。

技術力

株式会社山王は、長年にわたり培ってきためっき技術を基盤に、常に新しい技術開発に取り組んでいます。特に、微細化、高機能化が進む電子部品のニーズに対応するため、超微細加工技術の開発に注力しています。また、環境負荷の低減にも配慮し、環境に優しいめっき技術の開発も進めています。

株式会社山王は、これからも高度な技術とグローバルな展開を通じて、電子機器産業の発展に貢献していくでしょう。



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