山田和樹

山田和樹：国際的に活躍する日本の指揮者

山田和樹氏は、1979年神奈川県秦野市生まれの指揮者です。幼少期よりピアノや合唱に親しみ、木下式音感教育法にも触れて音楽的基礎を培いました。高校時代には吹奏楽部の指揮者を経験し、この経験が指揮者への道を志すきっかけの一つとなりました。

東京芸術大学音楽学部指揮科に進学後は、小林研一郎氏と松尾葉子氏に師事し、2001年に卒業。在学中には、自ら東京芸術大学生有志オーケストラ「TOMATOフィルハーモニー管弦楽団」（後に「横浜シンフォニエッタ」と改称）を結成し、音楽監督に就任。22歳という若さでベートーヴェンの交響曲全曲を演奏するなど、早くからその才能を発揮しました。

卒業後は、国内外のオーケストラとの共演を重ねます。パリ管弦楽団、フランス国立管弦楽団、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団といった欧米の著名なオーケストラへの客演や、NHK交響楽団をはじめとする日本の主要オーケストラを指揮し、幅広いレパートリーと高い演奏力で高い評価を得ています。

合唱指揮の分野でも活躍し、2005年から2014年までは東京混声合唱団のコンダクター・イン・レジデンスを務め、定期演奏会や委嘱作品の初演を指揮。同団の音楽監督も歴任し、2016年には理事長を兼務することとなりました。

国際的な舞台でも活躍の場を広げ、2009年にはブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。日本人としては小澤征爾氏以来となる快挙でした。このコンクールでの演奏は、小澤征爾氏に高く評価され、2010年にはサイトウ・キネン・フェスティバル松本への出演へと繋がりました。

2010年から2012年にはNHK交響楽団の副指揮者を務め、その後はスイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団の正指揮者、仙台フィルハーモニー交響楽団のミュージックパートナーなど、数々の主要オーケストラで重要な役割を担いました。2014年にはモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者に就任し、2016年には音楽監督兼芸術監督に就任しました。

2017年には読売日本交響楽団の首席客演指揮者に就任。2021年にはバーミンガム市交響楽団の首席指揮者兼アーティスティックアドバイザーに就任することが発表され、2024年には同楽団の音楽監督に就任予定です。さらに2024年には東京芸術劇場の芸術監督（音楽部門）に就任することが発表されています。

これ以外にも、数々の賞を受賞しており、その功績は高く評価されています。出光音楽賞、渡邉暁雄音楽基金音楽賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞、文化庁芸術祭賞新人賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞など、輝かしい受賞歴を持っています。

現在、スイス・ベルン在住で、2024年にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の定期公演に客演することが決定しています。日本人の指揮者によるベルリン・フィルの指揮は、佐渡裕氏以来14年ぶりとなります。

山田和樹氏の活躍は、日本の音楽界のみならず、世界の音楽界にも大きな影響を与え続けています。今後の更なる活躍に期待が高まります。

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