読売日本交響楽団

公益財団法人読売日本交響楽団（読響）

公益財団法人読売日本交響楽団は、日本のオーケストラの中でも特異な存在として知られています。その背景には、新聞社を母体とした世界初のオーケストラというユニークな設定があります。愛称は「読響」または「Y響」として親しまれ、正式には1962年に設立されました。

沿革

読売新聞社、ニッポン放送、日本テレビの三社が共同で設立した読響は、同年9月に初の公演を行いました。1967年には、アメリカの指揮者アーサー・フィードラーとの共演による海外公演を果たし、その後も様々な国際的なプロジェクトに取り組んできました。また、日本のオーケストラとして初めて、「芸術祭賞」を受賞するなど、演奏家としての評価も高まりました。

1979年から1995年にかけては、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー指揮の元、ショスタコーヴィチの交響曲全曲演奏を同一オーケストラで行うという偉業を達成。更に、数多くの新作委嘱も実施し、三善晃、武満徹、西村朗などの作品をいち早く初演してきました。

2001年からは若手作曲家に新作を委嘱する取り組みも始まり、音楽界への貢献が続いています。オペラ「午後の曳航」の世界初演や、ワーグナーの「パルジファル」の舞台上演も手掛けています。

設立の経緯

1961年、読売新聞社がパリ・オペラ座の公演を招いた際、オーケストラの調達に苦慮した結果、自前のオーケストラ設立が急務と判断されました。その際の名称選定には、「新聞社の枠を超えたオーケストラへ」という願いが込められています。

公演活動

読響は全国各地で積極的に公演を行っており、特にサントリーホールでは年間定期演奏会を10回実施。また、東京芸術劇場や横浜みなとみらいホールでも定期的な演奏を行っています。特に「第九」のコンサートや、大型の音楽祭「読響サマーフェスティバル」など多彩なイベントも展開しています。

指揮者

設立以来、著名な指揮者を招聘し、その中にはハチャトゥリアンやゾルタン・コダーイといった国際的に評価される指揮者が名を連ねています。各国の一流指揮者と共演を重ね、オーケストラの演奏レベルを高めてきました。

現在の指揮者はセバスティアン・ヴァイグレが常任指揮者として活躍し、共演する機会も多く、特に若手の活動を推進する姿勢が見られます。

未来展望

今後も読響は、新たな音楽作品の委嘱や公演活動を通じて、全国そして世界中にクラシック音楽の魅力を伝えていくことが期待されています。音楽が持つ力を活かし、未来の音楽シーンに大きな影響を与え続けるオーケストラとして、その活動に注目が集まっています。

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