山田外美代

山田外美代

1949年、石川県に生まれた山田外美代氏は、幼少期に現在の愛知県瀬戸市へ移住しました。彼女は国内外の国際博覧会（万博）に精力的に足を運び、その熱心な参加姿勢から「万博おばあさん」の愛称で広く知られる存在です。

彼女の「万博」への情熱は、2005年に地元愛知県で開催された「愛・地球博」から始まりました。この博覧会では、2005年3月25日の開幕から9月25日の閉幕までの全期間、185日間一日も欠かさず会場へ通い、見事に皆勤を達成しました。

続く2010年の上海国際博覧会では、彼女の活動は一躍脚光を浴びることになります。2010年5月1日の開幕日から10月31日の閉幕日まで、こちらも184日間の全会期を通じて毎日会場を訪れました。現地では「世博奶奶」（シェボナイナイ、万博おばあさんの意）として親しまれ、そのひたむきな姿は多くの人々の心を掴み、絶大な人気を博しました。閉幕日の式典では、当時の温家宝首相（国務院総理）が演説の中で彼女の存在に言及する一幕もあり、その認知度の高さを示すエピソードとなりました。

上海万博後も、彼女の万博への情熱は衰えることはありませんでした。2012年の麗水国際博覧会（韓国）でも皆勤を達成しています。

また、博覧会への参加のみならず、その活動が認められ、公式な役割も担うようになります。2013年3月には、同年5月に韓国中部の五松（オソン）市で開催される「2013五松化粧品・ビューティー世界博覧会」の名誉広報大使に任命されました。彼女の「美しい生き方」が博覧会のテーマと合致するとして招聘され、3月20日付で博覧会組織委員会より委嘱状が交付されています。この他にも、台湾で開催された園芸博覧会などにも招待されています。

国際的なイベントへの関わりは万博に留まらず、2021年4月5日には東京2020オリンピックの聖火リレーにも参加しました。長年暮らす瀬戸市において聖火ランナーを務め、市役所付近のコースを力強く駆け抜けました。

そして、2025年5月28日には、開催中の大阪・関西万博において新たな記録を樹立しました。開幕から46日目にして、当時開館していた全てのパビリオン（同日時点で未開館だったネパール館とアンゴラ館を除く82館）を巡り終え、会場内に設置された公式スタンプも全て集めました。この偉業を称え、最後に訪れたオランダ館では記念セレモニーが催されました。オランダ館のスタッフから温かい拍手で迎えられ、在大阪オランダ総領事のマーク・カウパース氏が館内を案内するなど、特別なもてなしを受けました。

山田外美代氏は、「万博おばあさん」として、その変わらぬ情熱と精力的な活動によって、国内外で尊敬と親しみを集めています。彼女の存在は、博覧会という文化交流の場における、一人の参加者の持つ影響力の大きさを示しています。

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