山田正彦 (政治家)

山田正彦：食と農を憂い、日本の未来を切り拓く政治家

山田正彦（やまだ まさひこ）は、1942年生まれの日本の弁護士、そして政治家です。衆議院議員を5期務め、農林水産大臣などの要職を歴任しました。彼の政治家としての道のりは、日本の食と農の未来に対する深い憂慮と、それを行動で示す強い意志に彩られています。

生い立ちと弁護士としての出発

長崎県五島市で生まれた山田氏は、早稲田大学第一法学部を卒業後、司法試験に合格。故郷に戻り牧場経営に乗り出すという異色の経歴を持ちます。しかし、オイルショックにより牧場経営が困難となり、長崎市で弁護士としてのキャリアをスタートさせました。この経験が、彼の食と農に対する問題意識の原点となったと言えるでしょう。

衆議院議員としての活動

1993年、新生党公認で衆議院議員に初当選。その後、新進党、自由党、民主党と所属を変えながら、一貫して農林水産業の振興、食の安全確保に取り組みました。農林水産副大臣時代には、BSE問題に関連してアメリカからの牛肉輸入再開に反対するなど、強い信念に基づいた行動が注目を集めました。

2009年には農林水産大臣に就任。口蹄疫問題への対応に奔走するなど、その手腕を発揮しました。しかし、菅直人内閣での組閣で再任されず、短期間で退任。その後は衆議院農林水産委員長として、引き続き食と農の問題に取り組みました。

TPP反対と政治的転換

山田氏は、環太平洋戦略的経済連携協定（TPP）に一貫して反対の立場を取りました。民主党を離党後、「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党」を結党し、代表に就任。その後も、日本未来の党への参加、みどりの風からの参議院選挙への出馬など、政治的な転換を繰り返しましたが、その根底には常に食と農、そして日本の未来に対する強い危機感がありました。

政策と主張：食の安全、島嶼部振興、そしてパチンコ問題

山田氏の政策は多岐にわたりますが、特に重要なのは以下の3点です。

食の安全保障: TPP交渉における情報公開の不透明さを批判し、日本の食の安全が脅かされることを強く懸念しました。国産品の消費を促すため、トレーサビリティの徹底を主張しています。
島嶼部振興: 選挙区に離島を抱える山田氏は、島嶼部への手厚い保護策を訴えました。ガソリン税の減免などを提案し、離島住民の生活を支援しようとしました。
* パチンコ問題: パチンコの換金合法化や、パチスロ4号機撤去規制への反対など、独自の視点からパチンコ業界のあり方を議論しました。

人物像と著書

山田氏は、その信念の強さから、時には党の方針に反する行動も辞さない人物として知られています。その行動力と情熱は、多くの人々に影響を与えました。

また、多数の著書を通じて、食と農の問題、TPPの危険性などを訴え続けています。『アメリカに潰される!日本の食』、『TPP秘密交渉の正体』など、彼の著書は、多くの人々に食と農の問題に対する関心を深めるきっかけを与えました。

山田正彦は、常に国民の視点に立ち、日本の食と農の未来を真剣に考える政治家でした。その行動と主張は、賛否両論あるかもしれませんが、彼の問題提起は、私たちが食と農について深く考える上で、重要な示唆を与えてくれるでしょう。

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