山田直稔

山田直稔についての紹介

山田直稔（やまだ なおとし、1926年4月16日 - 2019年3月9日）は、日本の著名な実業家として知られており、特に「オリンピックおじさん」という愛称で国際的な舞台でも名を馳せました。富山県東礪波郡井波町（現在の南砺市）出身で、富山県立富山工業高等学校を卒業後、日本大学工学部建築学科に進学しました。在学中には、阿部定事件の犯人である阿部定との出会いから多くの人生の示唆を受けたと語っています。

経歴と業績

大学卒業後、山田はワイヤーロープ業界に身を投じ、1960年には浪速商事株式会社を設立しました。この企業は、ホテル業や不動産事業など多岐にわたるビジネスを展開し、山田は生涯を通じて同社の代表取締役会長として活動しました。彼は1984年に「ゆうもあ大賞」を受賞し、その後も紺綬褒章を受章するなど、多方面での貢献が評価されました。2019年には心不全により92歳で亡くなりましたが、多くの業績と功績を残しました。

オリンピックとの関わり

特に注目されるのは、山田がオリンピックに情熱を注いだ点です。彼は1964年に開催された東京オリンピックを初めて応援し、その後1980年のモスクワオリンピックを除いて、2016年のリオデジャネイロオリンピックまで14大会にわたって応援を続けました。金色のシルクハットに羽織はかまという独特の服装で、日の丸の旗を振りながら日本選手を熱心に応援する姿は、多くの人々の記憶に残っています。「国際オリンピック応援団長」としての彼の役割は、単なる応援にとどまらず、日本の誇りを世界に伝える重要な存在であり続けました。

彼は毎回のオリンピック参加において、体力的・経済的な負担が大きいことを承知しながらも、宿泊費などで大会ごとに1000万円、総額で1億円以上を自ら支出してきました。高齢になってからは北京オリンピックを最後の応援大会とし、引退を発表したものの、その後はロンドンオリンピックに参加しました。大会中には母校である富山工業高校の応援のために帰国するなど、彼の情熱は衰えることがありませんでした。

応援の影響

山田の死去後、彼から勇気をもらったスポーツ選手たちのコメントも多く寄せられました。レスリング日本代表の吉田沙保里や卓球代表の福原愛は、彼の存在が自分たちの支えになったと感謝の意を表明しました。また、国際オリンピック委員会（IOC）のトーマス・バッハ会長も、山田を「真のスーパーファン」と称し、その存在が多くの人にとって意義深いものであったと述べました。

大相撲への参画

さらに、山田は1990年代半ばからは大相撲においても応援活動を行い、日の丸や五輪マーク入りのジャージとともに、大きなシルクハットを被って聴衆を楽しませました。しかし、その応援スタイルは時に批判も受け、当時の日本相撲協会から注意を受けることもありました。それでも、彼の熱意は多くの人々に愛され続けました。

著作活動

彼はまた著作活動も行い、『ぶっつけ本番に勝て! - オリンピック応援団長が教える必勝法』や『愛と笑顔が人類を救う - 国際オリンピック応援団長が語る幸福へのパスポート』などを出版しました。これらの著書は、彼の実体験を基にしたもので、多くの人々にインスピレーションを与えています。

まとめ

山田直稔は、実業家としてだけでなく、日本のスポーツ界における象徴とも言える存在でした。彼の努力と情熱は、これからも多くの人々の心の中に生き続けるでしょう。

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