山脇正勝

山脇正勝（やまわき まさかつ）について

山脇正勝は、1849年に生まれ、1905年に亡くなった幕末の桑名藩士であり、新選組の隊士としても知られています。彼は変名を数多く持ち、多芸誠輔や山脇成光などの名でも呼ばれました。維新後は三菱の社員として成功を収め、さらには長崎造船所の初代所長としても活躍しました。

生い立ちと早年期

山脇正勝は、桑名藩士の家系に生まれ、父親は山脇十左衛門という著名な人物でした。彼は藩主である松平定敬の小姓に任じられ、青年期は藩のために尽力しました。1868年に始まった戊辰戦争では、19歳という若さで活躍し、父親と共に従軍しました。

この戦争中、山脇は藩の命令を受けて暗殺事件に関わるなど、危険な任務を遂行し、その後会津戦争にも参加します。この戦争で小指を失うという重傷を負いながらも、彼は戦の炎の中で数々の経験を積みました。このような過酷な戦歴は、彼の志を一層強固なものにしました。

新選組とその後

戦後、山脇は新選組に加わり、箱館戦争に参戦します。しかし、1869年5月15日、彼は新政府軍への降伏を余儀なくされました。この後、彼は日本を離れアメリカへ留学し、当時の名門高等教育機関であるミシガン大学で学びました。特に、彼は同大学の初の日本人学生として名を馳せ、その才能を示しました。

三菱社でのキャリア

留学から帰国した山脇は、明治8年に三菱社に翻訳係として入社し、そしてその後のキャリアで数々の役職を歴任しました。まず郵便汽船三菱会社で海外航路船の事務長を務め、その後上海支社と長崎支社の管理職へ昇進しました。1881年には高島炭鉱事務長に就任し、さらに三菱造船所支配人としてもその手腕を発揮しました。

晩年と子孫

彼の私生活では、娘勝子は日本海軍の少将寺岡平吾と結婚し、その子孫はペルーとイランの大使を務めるなど、名家に育ちました。また、勝子の子供は、サンフランシスコ条約締結時に吉田茂首相の秘書官として活躍した経歴を持ちます。彼の家系はその後も教育や文化の分野で輝かしい業績を残しました。

山脇正勝の墓所は染井霊園にあり、彼の業績は後世に語り継がれています。また、彼に関する著書も出版され、桑名藩の歴史の中で重要な位置を占める存在となっています。彼の生涯は日本の近代史の中で多くの人々に影響を与え、今もなお興味深い研究対象とされています。

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