山脇百合子 (英文学者)

山脇百合子の生涯と業績

山脇百合子（やまわき ゆりこ）は、1918年6月5日に東京に生まれ、2019年1月31日に逝去した英文学者です。彼女は実践女子大学の名誉教授として、英文学の普及と発展に尽力しました。

学歴と初期のキャリア

百合子は、文学に対する情熱を抱きながら成長しました。1936年に女子学院を卒業後、1940年には東京女子大学の英文科を卒業しました。その後、1942年には早稲田大学の英文科を卒業し、同大学の文学部大学院に1年間在籍しました。このように、彼女は文学の基礎を固めた後、1944年に啓明学園女学校で英語教師としてのキャリアをスタートさせました。

その後、彼女は朝日新聞東京本社に勤務し、英文学や海外文学への理解を深める機会を得ました。この期間中、彼女は英国文化振興会の奨学金を活用し、1952年から1953年にかけてリヴァプール大学大学院に留学。これにより、欧州の文学研究に対する視野が広がりました。

教職としての発展

1954年には東京女子大学の講師として教壇に立ち、その後も女子美術大学や実践女子学園短期大学で講師を務めました。1960年に実践女子大学の助教授に昇進し、1966年には教授に就任。彼女の教え子たちは、今でも百合子の教育熱心さや深い知識を称賛しています。

1974年には「エリザベス・ギャスケル研究」により立正大学で文学博士の学位を取得。彼女は、イギリス文学、特に19世紀の女性作家に関する研究で高い評価を得ることになります。

研究と著作

百合子は、エリザベス・ギャスケルやブロンテ姉妹に関する多くの著書を執筆しました。代表作には、1976年に出版された『エリザベス・ギャスケル研究』や、1978年の『英国女流作家論』があります。また、彼女はブロンテ姉妹に関する翻訳や分析も手掛けており、1978年には『ブロンテ姉妹 著訳』を発表しました。

1994年には『形而上詩人ジョン・ダン ルネッサンスに生きた現代人』という著書を出版し、多角的な文学的視点を提供しました。さらに2002年には『ギャスケル文学にみる愛の諸相』を監修し、学術的な貢献を継続しました。彼女の豊富な業績は、現代における英文学研究においても、重要な参考資料となっています。

協会設立と名誉教授

1988年には日本ギャルケス協会を設立し、初代会長に就任しました。これは、エリザベス・ギャスケルの研究をさらに深め、広めるための重要な活動でした。百合子は教育界と学術界をつなぐ架け橋として、数多くの後進を育成し、彼女の知識と情熱は今も多くの人々の心に残っています。

彼女は1989年に実践女子大学から定年退職し、その後名誉教授となりました。2006年には日本ギャルケス協会の会長を退任しましたが、彼女の影響力は依然として学界で輝きを放っています。

最後に

2019年に満100歳で亡くなった山脇百合子。その生涯は英文学の発展に大きく貢献し、多くの文学愛好者と研究者に影響を与えました。彼女の業績は、今後もその価值を失うことなく、英文学の研究において重要な役割を果たし続けるでしょう。

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