山舗公義

山舗公義の生涯と業績

山舗公義（やましき きみよし、1924年3月7日 - 1999年9月14日）は、日本の柔道家であり、講道館9段を持つ著名な選手でした。彼は現役時代に全日本選手権で準優勝、世界選手権では3位となるなど、数々の輝かしい成績を残しました。その後、三重県津市で市議会議員や三重県柔道協会の会長として地域社会に貢献しました。

来歴

山舗は1924年に三重県に生を受けました。進学した旧制・京都中学では柔道が必修科目であったため、彼は柔道を選択します。そこで彼の指導者である海部勇次5段の下で立技を主に学び、1941年の第12回明治神宮大会中等学校府県対抗試合で京都府代表として優勝しました。この大会の監督が、のちに彼の生涯の師となる森下勇9段でした。

大学では立命館大学専門部法政科に進学し、柔道専門の道を進むことを決意します。彼は大日本武徳会武道専門学校で福島清三郎や三宅肇の指導を受け、毎日何時間も稽古に励みました。1944年に大学を卒業後は、1949年に講道館に入門し、1950年には5段に昇格しました。その後、京都市警察官として勤務し、栗原民雄9段や阿部謙四郎7段からも指導を受けます。

現役選手としての活躍も目覚ましく、1955年の全国警察選手権大会で3位、1956年には優勝を飾りました。さらに国民体育大会には7回出場し、全日本東西対抗試合においても優秀な成績を収めました。1957年の全日本選手権では3位、翌1958年には準優勝を果たしました。その年、世界選手権選考大会では決勝戦まで進出し、世界選手権でも3位に輝くなど、国際的な舞台でもその名を馳せます。

引退後の活動

1973年に京都府警を退官した後、地元三重県に戻った山舗は1975年に津市の市議会議員選挙に初当選。その後、1995年までの20年間、5期にわたり議員として活動し、2回市議会議長と1回副議長を歴任しました。さらに、三重県柔道協会の理事として1981年から1995年まで、週位置付を全うしました。

彼の努力と情熱が評価され、1998年4月には講道館から9段位を、同年4月29日には日本国より勲五等双光旭日章を受章しました。この受章に際し、「これも皆さんのお陰や！」と感謝の意を表しました。

人物像

身長175cm、体重85kgという体格の持ち主でありながら、彼の柔道技術は常に高く評価されていました。得意技には大外刈、小外掛、内股、支釣込足がありましたが、寝技にも優れており、柔道の発展に大きく貢献しました。「立技と寝技は鳥の両翼であるべき」との思想を掲げ、国際化・スポーツ化が進む柔道界において技術の双方を重要視する姿勢を持ち続けました。また、1964年には東京オリンピックの柔道専任コーチとしても活躍しました。

山舗は、京都中学時代に出会った森下勇を生涯の師と仰ぎ、恩義を深く感じていました。その後も多くの人々に影響を与え、柔道界や社会においてその存在感を示した彼の功績は、今なお語り継がれています。

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