山辺六郎

山辺 六郎について

山辺 六郎（やまべ ろくろう、1903年5月1日 - 1983年1月18日）は、日本の会計学の権威として知られ、教育や研究を通じて多大な業績を残した学者です。東京市浅草区で生まれた彼は、1931年に東京商科大学（現一橋大学）を卒業しました。その後、1961年には同大学より「原価計算論 管理会計としての原価計算」に関する研究によって商学博士の学位を取得しました。

教育とキャリア

卒業後、山辺は横浜専門学校の教授職に就き、その後も長崎高等商業学校や長崎大学経済学部の教授といった重要な役割を担いました。1949年の学制改革をきっかけに、長崎大学に移ると、1950年には横浜国立大学経済学部教授、横浜経済専門学校の教授、さらには九州大学と長崎経済専門学校の講師としても活動を開始しました。1951年には企業会計基準審議会の臨時委員、1953年には公認会計士試験の委員を務めました。

1966年には定年退官し名誉教授の地位を得、1969年からは青山学院大学、1972年からは亜細亜大学で教授として後進の指導にあたりました。教育界での貢献により、彼は没後に従三位に叙せられ、勲二等瑞宝章を受勲しています。

著作と貢献

山辺六郎は、多くの著書や研究成果を通じて、会計学における原価計算の発展に寄与しました。彼の主な著作には、1937年に出版された『工業簿記の研究』や、1938年の『商業簿記撮要 上巻』、さらに1948年に発表された『アメリカ公益企業会計』などがあります。また、1949年の『標準原價計算』や、1954年の『原価計算精説』、1961年の『原価計算論 管理会計としての原価計算』など、彼の著作は会計学における重要な文献とされています。

さらに、山辺は共著や翻訳書も多く手がけています。1951年には青木茂男との共著で『内部統制』を、また、翻訳書としては高陽書院から出版された『レーマン原価計算』や、シュマーレンバッハによる『価格政策論』などがあります。これらの著作は、当時の会計実務や学問の進展に重要な影響を与えるものでした。

結論

山辺六郎は、日本の会計学における重要な人物であり、その功績は今なお多くの研究者や学生に受け継がれています。彼の業績は、会計学の進展のみならず、教育現場における指導者としても高く評価されています。彼の研究や著作は、原価計算の理解を深める上で不可欠なものと言えるでしょう。

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