山部能宜

山部 能宜（やまべ のぶよし）

山部能宜は、1960年に生まれた日本の著名なインド哲学・仏教学者であり、現在は早稲田大学文学学術院の教授を務めています。彼の研究の中心には、仏教における実践的な瞑想修行、特に座禅に対する深い関心があります。特に、彼はインドの初期瑜伽行唯識学派の思想や、中国の法相宗の教理、さらにインド・中国・中央アジアにおける禅定修行の実態に焦点を当て、これらを解明することを目指しています。

学歴・職歴

山部は1983年に大阪大学法学部を卒業し、1985年には大谷大学文学部仏教学科を修了しました。その後、大阪大学の荒牧典俊教授の指導の下で唯識の教理を学び、1987年に同大学の文学研究科博士前期課程を修了。さらに、彼はイェール大学に留学し、東アジア仏教の権威であるスタンリー・ワインスタイン教授の指導を受けました。1999年にはイェール大学からPh.D.を取得し、その後は九州龍谷短期大学で教鞭を執り、2003年には東京農業大学、2015年には早稲田大学に移籍しました。

研究内容

山部は、仏教における瞑想法の実践や理論に関して豊富な論文を発表しており、特に禅観の文献や美術資料を用いた研究で知られています。その中でも、彼の研究テーマにはアーラヤ識の起源と中央アジアの石窟壁画に関する探求が含まれており、これに関して現在も集中的に取り組んでいます。彼はまた、「『梵文瑜伽書』英訳計画」の計画アドバイザーとしても活躍しており、学術的な知見を広める役割を担っています。

主な論文と著作

これまでに彼は多数の論文を発表し、その中には「初期瑜伽派に於ける界の思想」や「唯識論書における漢文用語の註釈的研究」が含まれます。また、「観仏経典研究における『観仏三昧海経』の意義」や「シルクロードが伝えた禅定」など、仏教の実践と美術の関連性を探る研究が特に目を引きます。彼の著作は、仏教思想を理解する上で貴重な資料となっており、多くの研究者や学者に影響を与えています。

結論

山部能宜は、日本における仏教研究の重要な人物の一人であり、その業績は仏教思想の発展に寄与しています。彼の研究は、インド・中国・中央アジアの文化的な交差点における仏教の実践と思想を探求し、現代の学問における新たな視点を提供しています。仏教の深い理解を求める彼の探求は、学術界において高く評価され続けており、今後の発展が期待されます。

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