山野徹

山野徹（やまの とおる）氏は、1967年7月に生まれ、日本の防衛官僚として活躍している人物である。

大阪府出身で、大阪教育大学附属高等学校池田校舎を卒業後、早稲田大学政治経済学部にて研鑽を積んだ。大学を卒業した1991年、旧防衛庁の門を叩き、そのキャリアをスタートさせた。

初任地は装備局管理課であり、自衛隊が使用する装備品の取得や管理に関する実務に携わり、組織の基盤を支える業務に従事した。

その後、防衛省内の様々な部署で経験を重ねていく。2009年には地方協力局地方協力企画課の地方企画室長に就任。自衛隊の施設と地方自治体との連携強化や、地域社会とのより良い関係構築に向けた企画立案業務を担当し、地域と防衛組織を結ぶ重要な役割を担った。

2011年には防衛政策局防衛計画課の防衛力整備計画官として、日本の将来的な防衛力のあり方や、その整備に関する中長期的な計画策定に深く関与した。ここでは、国家の安全保障に関わる根幹的な政策立案の一翼を担うこととなった。

2012年からは大臣官房に移り、企画官を務めた後、2014年には訟務管理官に就任。防衛省全体に関わる重要政策の調整や、省が関わる訴訟案件などの法務関連業務を管理する職務を歴任し、組織運営に関わる幅広い視野と専門性を磨いた。

2015年には人事教育局給与課長として、防衛省・自衛隊職員の給与体系や人事制度に関する実務を取り仕切った。組織の人的資源を支える重要な部門において、その運営能力を発揮した。

2016年には再び大臣官房に戻り、企画評価課長を務めた。ここでは、省全体の政策の企画立案に加え、その実施状況や効果を客観的に評価する体制を構築・運用する役割を担った。

2017年には統合幕僚監部参事官に就任。陸上・海上・航空自衛隊の統合運用を指揮する統合幕僚監部において、自衛隊の運用計画や国際的な連携に関する企画・調整業務など、高度な専門知識と調整能力が求められる職務に携わった。

2018年には再度、地方協力局に戻り、地方協力企画課長に就任。地方自治体や地域住民との連携をさらに強化し、自衛隊施設の円滑な運用環境を整備するなど、地方協力分野における中心的な役割を果たした。

2019年には大臣官房審議官に昇任。防衛省の重要政策全般に関わる上級管理職として、省全体の意思決定プロセスにおいて指導的な立場を担った。

2021年には、現場の最前線である南関東防衛局長に着任した。この地域防衛局は、管轄区域内の自衛隊施設管理、地方自治体との調整、そして地域住民との関係構築など、地域に根差した防衛行政を遂行する。ここでは、地域の実情を踏まえた柔軟かつ実行力のある政策遂行が求められた。

2023年には防衛省本省に戻り、地方協力局次長に就任。地方協力局の要職として、全国の防衛局や地方協力本部の活動を総括・調整し、自衛隊と地方社会との間の連携を一層深化させる立場となった。

そして2024年、山野氏は防衛省を離れ、内閣府に出向し、政策統括官（重要土地担当）という新たな職務に就いた。このポストは、国の安全保障に関わる重要性の高い土地や施設の利用に関する政策全体を統括するものであり、防衛分野で培った幅広い経験と知見を活かし、国家の安全保障に関わる新たな課題に取り組んでいる。

山野氏のキャリアは、装備品管理から政策立案、人事、地方協力、統合運用、そして重要土地政策に至るまで、日本の安全保障と社会の安定に貢献する多岐にわたる分野で要職を歴任している点で特筆される。

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