山陰日日新聞

山陰日日新聞の歴史

山陰日日新聞（さんいんにちにちしんぶん）は、かつて鳥取県米子市で発行されていた地方新聞で、戦前と戦後の二度にわたり存在しました。いずれも最終的には日本海新聞に統合され、地域の新聞史に名を刻んでいます。

戦前の山陰日日新聞

この新聞の歴史は1908年4月に始まります。この時、明治41年に新聞が初めて発行されました。その前身は、早稲田大学の卒業生である23歳の三好栄次郎（英之）が創刊した「米城新報」があります。時期はちょうど我が国が西洋文化を取り入れ始めたころであり、新聞発行が本格化していく中で、山陰地区でもようやく本格的な新聞が誕生しました。

創刊当初の社屋は西町にあり、後に日野町にあるモダンな三階建ての建物へ移転しました。創刊からの努力により、発行部数は徐々に増加し、1912年には9000部を突破。この時期、松江、鳥取、倉吉、境、安来、今市に支社または支局を開設し、地域言論界においても重要な役割を果たしました。特に、三好は民政党の論客としても活躍し、地方政治における言論活動を後押ししました。

1939年10月には『山陰日日新聞』、及び『鳥取新報』と『因伯時報』の3紙が合同し、新しい形態の新聞『日本海新聞』へと移行しました。

戦後の山陰日日新聞

戦後の山陰日日新聞は、1946年9月に再び米子市で発行されました。この頃、新聞は島根新聞社の系列として始まりました。しかし、次の年である1947年には公職追放の影響から経営陣が変わることになり、島根新聞社から独立を果たします。これにより独立した新聞として新たな道を歩むことになりました。

その後、1963年10月には再度、日本海新聞に吸収合併され、山陰日日新聞としての歴史は幕を下ろします。

関連文献と資料

山陰日日新聞の歴史に関する詳しい情報は、1990年に発行された『米子商業史』や、1984年発行の『鳥取県大百科事典』に記載されています。これらの文献は、新聞の発展や地域におけるその役割についての理解を深める助けになるでしょう。

関連人物や団体

この新聞の歴史にはいくつかの重要な人物が関与しています。例えば、創刊者の三好英之は外部に情報を伝える役割を担い、地域の発展に寄与しました。また、他の関連人物として織田収、大谷虎三、加藤章などが挙げられます。

山陰日日新聞の歩みは、単に一つの新聞の歴史にとどまらず、地域の文化や歴史を記録し、伝えるための重要な役割を果たしてきました。

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