山陽・東海道殺人ルート

山陽・東海道殺人ルート

『山陽・東海道殺人ルート』は、西村京太郎による推理小説で、1989年7月に講談社から出版されました。

ストーリー

上り特急「さくら」（リメイク版では「はやぶさ」）の個室寝台で、5千万円を所持した男女が銃殺されるという衝撃的な事件が発生します。捜査の結果、彼らが持っていた5千万円は、4年前に発生し未解決となっていた身代金誘拐事件で使用されたものと判明します。

被害者の父親である及川俊郎が有力な容疑者として浮上しますが、彼には事件当日、後から博多を出発する特急「あさかぜ82号」（リメイク版では山陽本線に合流する「サンライズ出雲」）に乗車していたという完璧なアリバイがありました。十津川捜査班は、山陽・東海道を走る列車を巧妙に利用したトリックの解明に挑みます。

登場人物

警視庁

十津川省三
亀井定雄
本多時孝
三上刑事部長
久保 - 警視庁科学研究所の技師。札束に特殊インクが塗られていることを発見します。

その他

及川俊郎 - 4年前の少女誘拐事件で娘を殺害され、身代金を奪われた父親。
杉浦明 - スーパーのチェーン店の社長で、国家公安委員も務める。
長山卓也 - 「さくら」で殺害された男。元レストランのオーナー。
小野内ゆう子（リメイク版では小野内亜矢） - 「さくら」で殺害された女性。

テレビドラマ

本作は、これまで2度テレビドラマ化されています。

1990年版

『西村京太郎トラベルミステリー17・山陽・東海道殺人ルート』として、1990年1月13日にテレビ朝日系列の『土曜ワイド劇場』で放送されました。主演は三橋達也が務めました。

主なキャストは以下の通りです。

亀井定夫 - 愛川欽也
岡林美津子（及川の元妻） - 永島暎子
及川俊郎（やよいの父） - 山本圭
十津川省三 - 三橋達也

このドラマでは、「さくら」と「あさかぜ」が主な舞台となり、「みずほ」がアリバイトリックに利用されました。また、被害者の女性が事件前に車掌に食堂車の場所を尋ねるシーンがありましたが、2008年版では食堂車が廃止されていたため、車掌が「名古屋から車内販売があります」と案内するシーンに変更されています。

2008年版

『西村京太郎トラベルミステリー50・山陽〜東海道連続殺人ルート』として、2008年9月27日にテレビ朝日系列の『土曜ワイド劇場』で放送されました。テレビ朝日開局50周年記念番組として制作され、主演は高橋英樹が務めました。

主なキャストは以下の通りです。

十津川省三 - 高橋英樹
亀井定夫 - 愛川欽也
及川俊郎 - 升毅

このドラマでは、「はやぶさ」と「サンライズ出雲」が主な舞台となり、ヘリコプターがアリバイトリックに利用されました。また、1990年版とは誘拐犯のリーダーの末路が異なっています。

特筆すべき点として、元警部・山内役で出演した高田純次は、後のシリーズ第58作から亀井刑事役として出演しています。

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