山鹿市立来民小学校

山鹿市立来民小学校

山鹿市立来民小学校は、かつて熊本県山鹿市鹿本町御宇田に所在した公立小学校です。明治時代に創立された長い歴史を持つ学校でしたが、地域の学校再編に伴い、2020年3月31日をもって閉校しました。この閉校により、140年以上にわたる来民小学校としての歩みが終わりを告げました。

創立から統合の歴史

来民小学校の歴史は、1874年5月にこの地域に設立された新町小学校と上御宇田小学校に遡ります。設立から2年後の1876年には、新町小学校は名称を改め、来民小学校となりました。また同じ年には、下御宇田小学校も開校しました。初期の段階から、地域には複数の学校が存在していたことがわかります。その後、教育制度の変遷や地域の実情に合わせて、学校の再編が進められました。

1883年には、新しく建設された校舎に移転した尋常来民小学校が、隣接する上御宇田小学校を統合しました。この時、統合された上御宇田校は、来民小学校の前田分校として存続することになりました。さらに1887年には、先に開校していた下御宇田校も尋常来民小学校の分校となりましたが、1892年には再び独立し、御宇田尋常小学校としてその歴史を再開させました。このように、この時期は学校の統合と分離が繰り返されていましたが、1897年には前田分校が、続く1899年には御宇田尋常小学校が相次いで来民尋常小学校に合併され、地域内の小学校は来民尋常小学校へと集約されていきました。

昭和・平成・令和の変遷

時代が進み、第二次世界大戦中の1941年には、国民学校令の施行に伴い、来民国民学校と改称されました。戦後、日本の教育制度が大きく変わる中で、1947年には新学制に基づき、来民町立来民小学校として再出発を切りました。その後の地方自治体の合併により、学校の設置者も変わっていきます。まず、1955年には鹿本町の発足に伴い鹿本町立来民小学校に、そして2005年には山鹿市との合併により山鹿市立来民小学校へと名称が変更されました。

閉校、そして鹿本小学校へ

山鹿市立来民小学校は、2020年3月31日にその歴史に幕を閉じました。これは、地域の児童数減少などを受け、山鹿市立稲田小学校、山鹿市立中富小学校との3校が統合されることになったためです。2020年4月1日からは、この3校を統合した新しい学校として、山鹿市立鹿本小学校が開校しました。特筆すべきは、新設された鹿本小学校の校舎として、閉校した来民小学校の既存施設が継続して使用されている点です。これにより、来民小学校が長年培ってきた教育環境や地域との繋がりが、鹿本小学校へと引き継がれる形となりました。

ゆかりの人物

来民小学校の卒業生や関係者の中には、様々な分野で活躍した人物がいます。その一人に、著名な理論物理学者であり、京都産業大学を創設したことでも知られる荒木俊馬氏が挙げられます。荒木氏は幼少期に来民小学校（当時の学校名）で学びましたが、後に他の学校へ転校しています。

地域の歴史と共に

来民小学校は、140年以上にわたり、この地域の教育の中心として多くの子供たちを育んできました。その歴史や地域の教育に関する詳細については、「鹿本町史」などの郷土資料に詳しい記述を見ることができます。また、地域の教育連携として、山鹿市立鹿本中学校との関係も深く、多くの卒業生が進学しました。閉校は地域の歴史の一つの節目となりますが、その精神と役割は、新たに開校した鹿本小学校に引き継がれています。

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