岐阜県民の歌

岐阜県民の歌

「岐阜県民の歌」は、日本の岐阜県が1955年（昭和30年）に正式に制定した曲です。この曲は、地域住民の郷土への誇りや愛着を高めることを目的とし、1954年（昭和29年）9月から歌詞の公募が行われました。その結果、合計で1447編もの応募作の中から、羽栗中学校の教頭であった永縄半助の作品が選ばれました。この曲は、岐阜県民の心に深く根付いています。

当初、発表された際には、応募作品の一つが佳作として評価され、発表された楽曲はすべて「岐阜県民の歌」とされていました。しかし、その後に曲の完成時には、佳作の作品は「岐阜の児」というタイトルに改められました。音楽は岐阜県からの依頼を受けた作曲家の服部正と、團伊玖磨によって手掛けられ、それぞれ歌詞にぴったりと合った旋律が生み出されました。

1955年の制定の際には、ビクターレコードから「岐阜県民の歌」と「岐阜の児」が収録されたSPレコードが製造され、著名な歌手たちによって披露されました。特に、A面には三浦洸一と柴玲子が出演し、B面には渡辺はま子と藤井典明が歌唱している形で販売されました。しかし、1970年代前半までは「非公式」の扱いとされており、多くの古い資料では未だに県民歌として正式には認知されていない旨の注釈が見受けられました。

現在では「岐阜県民の歌」の中でも特に「木の国　山の国」というフレーズが地域内で広く知られています。さらに、岐阜国体が開催された1965年（昭和40年）には、友竹正則と中野慶子の歌唱による新たなカバーが登場し、その後このバージョンが多くの場面で使われるようになりました。また、2006年には岐阜県広報課が第57回全国植樹祭のテーマソングとしてこの曲を選び、CD化を行ったことで、曲の認知度は向上しました。

その後、2000年代後半にも県の活動により、県立高校の生徒や岐阜県交響楽団による新たな録音が行われ、2012年には「ぎふ清流国体」の開会式でも演奏されるなど、岐阜県の重要なシンボルとしての地位を確立しています。また、県域の民放であるぎふチャンでも、高校生の合唱が毎朝流れるなど、多くの人々が日常生活の中で耳にする曲として親しまれています。

岐阜県民の歌は、その歴史を通じて岐阜県の文化やアイデンティティを象徴する存在になり、多くの県民に愛され続けています。今後も地域の誇りを表現する曲として、その価値は変わることはないでしょう。

もう一度検索