岡上淑子

岡上 淑子について

岡上淑子（おかのうえ としこ）は、1928年1月3日に高知県高知市で生まれた日本の写真家およびコラージュ作家です。彼女は多様な芸術表現を通じて、コラージュという独自のスタイルを確立し、国内外で高く評価されています。

経歴

岡上は戦後の混乱期に東京に移り住みましたが、1945年には再び高知に疎開しました。彼女はその後、東洋英和女学院を卒業し、引き続き恵泉学園で学びました。1946年には、後に著名な作曲家となる武満徹と彼の妻となる武満浅香とクラスメートとなり、これが岡上の芸術的な道を開く一因となります。

1950年、岡上は文化学院のカネコデザイン科に入学します。この時期の授業では、雑誌を使った切り貼りの課題が出され、この経験を通じてコラージュの魅力に目覚めます。彼女は「ヴォーグ」や「ライフ」といった著名なファッション誌の切り抜きを使用して、独自のコラージュ作品を制作し始めました。さらに、彼女の作品は武満浅香を通じて武満徹や瀧口修造の目に留まり、特に瀧口には高く評価されました。

1952年には文化学院デザイン科を卒業し、コラージュ作家として正式にデビューしました。卒業後、100点以上の作品を制作し、画家の藤野一友と出会い、1957年に結婚します。しかし、出産を機に創作活動はほぼ中断され、1967年に高知県に戻ることとなりました。

展覧会

岡上は1953年に初個展を開き、その後も東京国立近代美術館などの著名な展覧会に出品しました。1956年には再びタケミヤ画廊での個展を開催し、このときはコラージュ作品に加えてモノクロ写真も出品しました。これに続いて、彼女は故郷の高知県に戻り、2000年に「岡上淑子 フォト・コラージュ - 夢のしずく」の個展を開催するまで、長いブランクが続きました。

彼女は1996年に再び芸術界に登場し、その後の展覧会「ライトアップ - 新しい戦後美術像が見えてきた」に出演したことで、注目を集めました。また、2002年にはヒューストン美術館で初めての海外個展を開き、その成功によって更なる国際的な評価を得ることになります。2008年には個展「変容」を開催し、再びその独自の視点が注目されました。

出品した展覧会（1996年以降）

岡上の活動は1996年から活発化し、目黒区美術館や高知県立美術館など数多くの展覧会に出品しています。特に、2001年の「奔る女たち 女性画家の戦前・戦後1930-1950年代」展や、2018年の「岡上淑子コラージュ展 - はるかな旅」は彼女の業績を再評価する重要な機会となりました。

画集と参考文献

彼女の作品は数多くの画集としてまとめられており、『岡上淑子フォト・コラージュ : 夢のしずく』や『はるかな旅: 岡上淑子作品集』などがあります。また、関連書籍や文献も数多く出版されています。これにより、彼女の創作過程や芸術的な思想について知ることができます。

岡上淑子は、コラージュの持つ可能性を広げることで、日本の現代アートにおける重要な存在として知られています。彼女の作品は、視覚的な魅力だけでなく、深いメッセージをも convey しており、多くの人々に感動を与えています。

もう一度検索