岡山県道236号巌井野田線

岡山県道236号巌井野田線（おかやまけんどう236ごう いわいのだせん）は、岡山県の県道として定められた一般県道の一つであり、岡山市北区を南北に縦断する路線である。この路線は、岡山市の中心部近くを走り、地域住民の生活や交通において重要な役割を果たしている。

路線の概要としては、起点は岡山市北区西崎本町に位置する西崎本町交差点であり、ここでは主要な幹線道路である国道180号と接続している。一方、終点は同じく岡山市北区内の野田5丁目にある野田西交差点で、ここでは岡山県道21号岡山児島線および岡山県道162号岡山倉敷線といった市内の主要な県道と接続しており、交通の要衝となっている。路線の総延長は約1.7キロメートルと比較的短いものの、市街地における重要な連絡路としての機能を持つ。このうち、実際に道路として供用されている実延長は約1.6キロメートルである。

この路線の沿革を振り返ると、1960年（昭和35年）3月18日に岡山県告示第335号に基づいて、県道として正式に認定されたことに始まる。その後、1972年（昭和47年）には岡山県によって県道の番号体系が見直されたことに伴い、現在の県道番号である236号が付与されることとなった。

近年の整備状況としては、路線の混雑緩和や利便性向上を図るため、バイパス建設が進められてきた。岡山県道242号川入巌井線より北側の区間、具体的には岡山市北区西崎本町の西崎本町交差点から高柳西町にかけて、新たな道路が整備された。このバイパス工事は2007年度（平成19年度）に着工され、比較的短期間で工事が進められ、2009年度（平成21年度）に完成を迎えている。

さらに、このバイパスの北側に連続する都市計画道路・米倉津島線の一部区間、特に岡山市北区西崎から西崎本町の西崎本町交差点に至る「吉備線工区」において、JR西日本吉備線との交差地点は大きな課題であった。当初、周辺の交通状況や将来的な交通量増加に対応するため、立体交差による整備が計画されていた。これは、道路と鉄道をそれぞれ別の高さで交差させることで、交通の円滑化と安全性の向上を目指すものであった。しかし、当時のJR吉備線のLRT化（路面電車化）構想を巡る議論が活発化していた背景もあり、この鉄道立体交差計画は影響を受けることとなった。LRT化の可否や具体的な方法が定まらない状況下で、大規模な立体交差構造物の建設は将来的な路面電車運行への影響や再度の構造変更の可能性といった課題を抱えることになったためである。こうした状況を考慮した結果、当面の間は平面交差として整備される方針に変更された。この区間は、2012年（平成24年）4月15日に「関高前踏切」を含む形で開通に至った。この新しい平面交差部の開通と同時に、かつて現道であったJR吉備線（通称：桃太郎線）との交差地点である「三門西踏切」については、代替となる新たな道路が開通したことや、安全確保等の理由から、四輪車の通行が不可能となり、交通形態が大きく変化した。

地理的な特徴としては、この路線が通過するのは岡山市北区のみである。主要な交差道路としては、起点で国道180号と、終点で岡山県道21号岡山児島線および岡山県道162号岡山倉敷線とそれぞれ接続する。また、本路線は、JR西日本吉備線（桃太郎線）のほか、山陽新幹線、伯備線、山陽本線といったJRの複数の主要鉄道路線とも立体的に交差、あるいは近接して通過する。

沿線には、教育機関として関西高等学校や創志学園高等学校があり、通学路としても利用されている。また、JR吉備線の備前三門駅が近接しており、鉄道との乗り換え拠点ともなりうる。その他、岡山西警察署三門交番といった公共施設や、かつてベネッセコーポレーションの本社として使用され、現在はグループ企業であるシンフォームが入居する建物など、市内の主要な施設や建物も点在している。

関連事項としては、「岡山県の県道一覧」を参照することで、この路線の位置付けや周辺の道路ネットワークについてさらに理解を深めることができるだろう。

もう一度検索