吉備線

吉備線について

吉備線（きびせん）は、岡山県岡山市北区にある岡山駅から、岡山県総社市の総社駅へ至る西日本旅客鉄道（JR西日本）の鉄道路線です。愛称としては「桃太郎線（ももたろうせん）」が使われており、その名の通り、地域の民話や伝説との深い絡みがあります。本線は、地方交通線として運行されており、観光名所や歴史的なスポットを結ぶ重要な役割も担っています。

概説

吉備線は、もともと高梁川の舟運を利用して、岡山との連絡を目的に建設されました。当初の終点は湛井（現在の総社市井尻野）であり、湛井駅を通じて舟運と接続していました。しかし、伯備線の建設に伴い舟運が衰退することが見込まれたことから、湛井駅への路線は廃止され、現在の東総社駅から総社駅への路線に改変されました。吉備線は戦時中に国有化され、今日に至ります。現在、全線はIC乗車カード「ICOCA」に対応しており、桃色のラインカラーと共に便利に利用されています。

路線データ

• - 管轄事業者: 西日本旅客鉄道（第一種鉄道事業者）
• - 営業キロ: 20.4 km
• - 駅数: 10（岡山駅および総社駅を含む）
• - 複線区間: なし（全区間単線）
• - 電化区間: なし（全線非電化）
• - 運転指令所: 中国総合指令所岡山指令所
• - 最高速度: 85 km/h

常に普通列車のみの運行が行われ、基本的にワンマン運転が実施されています。2021年からは全列車がワンマン運転となり、全体で約1時間に1-2本の列車が運行されています。また、沿線には吉備津彦神社や最上稲荷など複数の観光名所があり、これに伴い特別運行として初詣シーズンには終夜運転も実施されています。

昔ばなし列車

吉備線は、桃太郎伝説が息づく地域を走ることから、特別イベントが定期的に行われています。「昔ばなし列車」は、そのうちの一つで、沿線の物語にちなんだ楽しい放送が行われています。このように地域文化を活かした取り組みが、鉄道路線の利用促進にもつながっています。

車両

吉備線では、主に気動車が使用されています。非電化のため後藤総合車両所岡山気動車支所に所属する車両が運行され、日本国有鉄道（国鉄）時代から継承されたキハ40・キハ47形が主力車両として運用されています。蒸気機関車は1971年に運用が停止されましたが、1989年には特別イベントとして蒸気機関車を使用した列車も運行されました。

歴史

1904年に中国鉄道として開業し、その後の数々の改良や廃止を経て、現在の吉備線が誕生しました。様々な駅の名称変更や廃止が行われてきたものの、多くの駅は地域との密接な関係を持っています。

LRT化の検討

吉備線の将来については、LRT（ライトレール）化が検討されています。岡山市内を走ることから、LRT化することで利用者の増加が見込まれるとのことです。過去には、具体的な協議が行われており、地域社会の期待も寄せられていますが、新型コロナウイルスの影響などで進捗は遅れている状況です。なお、今後の動向にも注目が集まっています。

吉備線は伝説と現実が交差する場所であり、地域の文化や観光とも密接に関連した路線であることから、多くの人に愛される存在となっています。

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