岡山臨港鉄道

岡山臨港鉄道の歴史と概要

岡山臨港鉄道（おかやまりんこうてつどう）は、岡山県岡山市の大元駅と岡山港駅を繋いでいた鉄道路線です。この路線は、1951年8月1日に運行を開始し、1984年12月30日に廃止されるまで多くの人々に利用されました。

概要

この鉄道の着工は、太平洋戦争の終息直後の1947年に遡ります。当初は、国有地の干拓前の旧堤防を利用し、宇野線と岡南地区の軍需工場を結ぶ目的で設置されました。建設は戦時特例として許可され、工事は一時中断されるも、その後、岡南地区の汽車製造岡山製作所の資材や製品の運搬のため再開されました。

1947年に開通後、国鉄広島鉄道局岡山管理部による運行管理が行われ、岡山駅からの客車列車が1日1往復運行されるようになりました。1950年には岡山製作所が閉鎖されることとなり、鉄道は地方鉄道免許を取得し、1951年には岡山臨港鉄道株式会社が設立されました。

開業当初の運行は、機械式ディーゼル機関車を中心に構成され、多くの利用者が集まりました。1952年度には、年間で65万4000人が利用するなど、順調なスタートを切りました。急速な都市化に伴い、特に通勤や通学での利用が増加し、「自転車券」の発行を行うなど、多様な需要に応えるサービスが展開されたのです。

運行状況の変遷

1968年度には、貨物輸送の実績が最高を記録し、29万2000トンに達しましたが、旅客輸送はバス路線の拡大により減少し、40万人に満たない状況となりました。さらなる旅客の減少を受け、1973年には旅客列車の本数を大幅に削減せざるを得なくなり、1980年代に入ると、旅客輸送は開業時の3分の1にまで落ち込んでしまいました。

経営の多角化を試みる中で、倉庫業や不動産業へ進出しましたが、1984年の国鉄の貨物ヤード方式の廃止が重なり、運営が困難になりました。それに伴い、1984年12月に列車の運行を終了し、翌年には正式に鉄道事業が廃止されました。

廃止後の影響

廃止後の路線跡地は岡山市に譲渡され、遊歩道や市道として再利用されています。また、1990年代には大元駅周辺の立体化工事が行われ、臨港鉄道の痕跡はほとんど消失しました。2001年には株式会社岡山臨港に商号を変更し、民間企業としての再出発を果たしました。

鉄道の特徴

この鉄道は全線が非電化で、単線の1057mm軌間を採用していました。路線延長は大元と岡山港を結ぶ8.1kmであり、運行管理は岡山県や岡山市を含む地域企業の出資で構成された経営体によって行われていました。列車には多様な気動車が使用され、末期にはキハ7000系列の車両が残っていました。

全体として、岡山臨港鉄道は岡山地区の経済成長を支える重要な役割を果たし、多くの利用者に親しまれた歴史的な路線でありました。

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