岡山電気軌道7900形電車

岡山電気軌道7900形電車

岡山電気軌道7900形電車は、岡山電気軌道が運行する路面電車の主力車両です。1989年に最初の7901号が製造されて以来、1995年までの間に5両が順次導入されました。これらの車両は、アルナ工機によって製造されたもので、老朽化した岡軌3000型の後継として設計されています。

車両の設計と特徴

7900形の車両は、岡軌3000型の主要機器を流用しつつ、新たなデザインで生まれ変わりました。特に、車体は7600形や7700形とほぼ同一の形状を持ちますが、夜間の運行において乗務員の視認を助けるために、前面が傾斜角を増して設計されています。このように、視認性向上のための細かな改良が施されています。

台車については、すべての車両が新たに設計されたアルナ工機NK-202を使用しており、形鋼溶接構造の軸ばね式の台車が装備されています。主電動機は、旧車両から引き継がれた東洋電機製造のTDK-532-Bが使用されていますが、その取り付け方は外掛けスタイルになっています。このように、旧式の要素を残しつつも、現代的な技術に基づいた設計が施されている点が特徴的です。

制御器についても、初期の7901号と8101号には旧型の直接制御器が搭載されていましたが、その後、8201号からは新しい制御器に変更され、定期検査時には初期の車両も改修が行われました。これにより、主に主電動機とパンタグラフのみが旧岡軌3000型の機器を引き継いでいます。

冷房設備とラッピング車両

冷房装置については、8301号までは富士電機の冷房能力20,000kcal/hのモデルが搭載されていましたが、1994年に発生した酷暑により、最終増備となる8501号では冷房能力を22,000kcal/hに強化されたモデルに変更されました。このように、気候の変化に対応した設備改善が行われています。

さらに、2024年3月12日からは中国銀行の広告を施した「ももちゅ号」が運行される予定です。この車両では7901号に「ちゅうぎんアプリ」のラッピングが施され、車内でも同アプリの機能を紹介する広告が展開される予定です。

まとめ

岡山電気軌道7900形電車は、岡山の交通を支える重要な存在であり、改良された技術や設備を備えた車両として、地域の公共交通に貢献しています。老舗の伝統を引き継ぎながら、現代のニーズに応える車両デザインとして、今後も地域の人々に親しまれることでしょう。

もう一度検索