岡幸俊

岡 幸俊

概要

1970年5月31日、高知県土佐清水市に生まれた岡幸俊（おか ゆきとし）は、かつてプロ野球・ヤクルトスワローズで投手としてプレーした元プロ野球選手です。強豪校で才能を開花させ、ドラフト会議では複数球団の注目を集めましたが、プロ入り後は度重なる怪我との戦いを強いられました。

アマチュア時代

野球への道を歩み始めたのは小学校4年生の時。中学校で投手に転向すると、その才能が開花します。地元の強豪、高知商業高等学校に進学後、投手として頭角を現しました。最速145km/hを計測する力強いストレートに加え、キレのあるカーブやシュートを巧みに操る本格派として評価を高めました。高校3年時の1988年には、春の選抜大会と夏の全国選手権大会に連続で出場。甲子園のマウンドで全国にその名を知らしめました。

高校卒業を控えた同年のプロ野球ドラフト会議では、その将来性が高く評価され、ヤクルトスワローズ、広島東洋カープ、読売ジャイアンツ、千葉ロッテマリーンズ、福岡ダイエーホークスの5球団から2位指名を受けるという異例の争奪戦となりました。抽選の結果、ヤクルトスワローズが交渉権を獲得し、入団が決定しました。

プロ野球選手時代

1989年、ルーキーイヤーから開幕一軍メンバーに名を連ねます。主にリリーフ投手として起用され、シーズンを通して22試合に登板するなど、高卒新人ながら一軍の戦力として期待に応えました。同年4月8日に東京ドームで行われた対読売ジャイアンツ戦でプロ初登板。8回裏二死の場面でマウンドに上がり、1/3回を無失点に抑える落ち着いた投球を見せ、プロ初奪三振も記録しました。また、9月11日の対中日ドラゴンズ戦（ナゴヤ球場）では初先発も経験しています。

しかし、プロ2年目の1990年に右肘を故障。この年は一軍登板がわずか1試合にとどまり、以降、怪我との厳しい戦いが始まります。1991年には、野球技術向上のためMLBの1Aリーグ、サリナス・スパーズへ野球留学を経験しましたが、状態は上向かず、この年も一軍での登板機会はありませんでした。その後も度重なる右肘の手術を受けましたが、本来の投球を取り戻すことは叶いませんでした。

投球困難な状況が続いたことから、1994年には外野手への転向を決断しました。しかし、残念ながら外野手として再び一軍の舞台に立つことはできませんでした（ただし、投手時代の1989年には一軍で安打を記録しています）。怪我に泣かされ、ポテンシャルを十分に発揮できないまま、1995年シーズン限りで現役を引退することを決意しました。

プロ通算成績は、投手として23試合に登板し、0勝1敗、防御率6.75という記録が残っています。

引退後

現役を退いた後は、故郷である高知県に戻り、セカンドキャリアを歩んでいます。現在は中四国丸和ロジスティクスに勤務しており、社会人として活躍する傍ら、自身の経験を活かし、野球講師としても活動。未来を担う若い世代の指導に情熱を注いでいます。

背番号

19（1989年 - 1992年）
55（1993年 - 1995年）

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