岡本圭右

岡本圭右は1956年8月16日に兵庫県南あわじ市で生まれた、左投げ左打ちの元プロ野球選手である。ポジションは、プロ入り後は投手から野手へ転向し、内野手（主に一塁手）や外野手としてプレーした。

高校時代は県立三原高校のエース投手としてチームを牽引した。特に2年生の夏には、県予選において、強豪校との対戦で9回二死まで無安打無失点に抑えるという記録的な投球を見せ、その将来性が高く評価されていた。

1974年のプロ野球ドラフト会議では、投手として南海ホークスから4位指名を受け入団。しかし、プロの世界では投手としての適性を見極められた結果か、入団から2シーズン、一軍での登板機会を得ることはできなかった。

プロ入り3年目となる1977年シーズンから、野手へのコンバートを決断。この転向が彼の野球人生を大きく変えることになる。打撃練習に励み、その天性のバッティングセンスを開花させ、1979年には外野手として一軍に定着する足がかりを掴んだ。

チームの主力打者であった片平晋作の退団後、1982年には開幕から一塁手のレギュラー候補として起用された。この年、実質的には52試合で先発メンバーとして出場したが、相手投手の左右に関わらず、守備的な選手が「偵察要員」として一時的に打順に入り、その後すぐに岡本が交代出場するという独特の起用方法が全ての試合で用いられた。

翌1983年も一塁手として61試合に先発するなど、その後も山本雅夫や池之上格といった他の選手と併用されながらも、一塁のポジションを中心に、時には指名打者や外野手としても出場機会を得続けた。

打撃面では、得点圏での集中力を活かした勝負強いバッティングと、広角に打ち分けられる長打力が最大の武器だった。チームにとって重要な場面で頼りになる存在だったが、残念ながら左投手との対戦を苦手としており、相手が左腕の場合はスタメンから外れることが多かった。この起用法の制約もあり、現役生活を通じて一度も規定打席に到達することはなかった。

1986年12月には、橋本敬司投手との交換トレードで読売ジャイアンツへの移籍が発表された。新天地での活躍が期待されたが、当時の巨人は選手層が厚く、レギュラー争いは熾烈だった。岡本は巨人では十分な出場機会を得られず、打撃面で自身の持ち味を十分に発揮することが難しかった。

巨人移籍1年目の1987年シーズンは、ペナントレースはもちろん、日本シリーズでも安打を記録することができず、同年限りで現役を引退することを決めた。プロ野球選手としての最後の打席は、相手投手からの死球という形で終わっている。

プロ野球での主な記録

初出場: 1979年5月18日、対阪急ブレーブス戦（阪急西宮球場）8回表に高柳秀樹選手の代打として出場、三振。
初先発出場: 1979年5月21日、対阪急ブレーブス戦（阪急西宮球場）7番・右翼手としてスタメン出場。
初安打: 初先発出場と同じ試合で記録。
初本塁打: 1979年6月2日、対阪急ブレーブス戦（大阪球場）7回裏に三枝規悦投手からソロ、9回裏にも2ラン。

背番号の変遷

46 （南海ホークス、1975年 - 1979年）
27 （南海ホークス、1980年 - 1982年）
9 （南海ホークス、1983年 - 1986年）
10 （読売ジャイアンツ、1987年）

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