岡村泰孝

岡村泰孝（おかむら やすたか）

岡村 泰孝（おかむら やすたか、1929年6月13日 - 2011年12月22日）は、大阪府大阪市出身の日本の検察官、弁護士です。戦後17代目の検事総長を務め、その職務を全うしました。位階は正三位。

生涯

大阪府で生まれ、旧制大阪高校を経て1953年4月に京都大学法学部を卒業。司法修習生（7期）を経て、検察官としてキャリアをスタートさせました。大阪地方検察庁検事を皮切りに、1968年には司法研修所教官、1980年6月には東京地方検察庁特別捜査部に就任するなど、要職を歴任しました。

その後、那覇地方検察庁検事正、公安調査庁次長、法務大臣官房長、法務省刑事局長、法務事務次官を経て、1990年6月に次長検事に就任。1991年12月には東京高等検察庁検事長に就任しました。

1992年5月、検事総長に就任。検察官のトップとして辣腕を振るい、1993年12月に退官しました。退官後は、1994年2月に弁護士登録を行い、第一東京弁護士会に所属し、弁護士としての活動を開始しました。

弁護士業の傍ら、1997年5月には東京歯科大学監事、1997年6月にはトヨタ自動車社外監査役、2003年6月には三井物産社外監査役にも就任し、幅広い分野で活躍しました。

2001年11月3日には、長年の功績が認められ、叙勲一等授瑞宝章を受章。2011年12月22日、大動脈瘤破裂のため死去。82歳没。叙正三位。

人物

岡村泰孝は、そのキャリアを通じて、数々の重要な事件を担当しました。法務省刑事局長在任中には、帝銀事件で死刑が確定していた平沢貞通が執行されずに病死したことに関して記者会見を開き、事件の経緯とこれまでの再審請求、恩赦の出願について説明を行いました。

検事総長在任中には、札幌高等検察庁検事長の佐藤道夫が新聞に投稿した文章について、最高検察庁に呼び出して口頭注意を行いました。これは、文章の内容が検察の捜査処理に対する内部批判と誤解される可能性があったためとされています。

退官に際しては、三ケ月章法務大臣に対し、「今後は、全幅の信頼を置いている吉永次期総長にまかせたい」と述べ、後任への信頼を示しました。

主な担当事件

東京地検特捜部長在任中には、石油ヤミカルテル事件や協同飼料事件などを担当しました。

検事総長在任中には、東京佐川急便事件を担当しました。



岡村泰孝は、検察官として、また弁護士として、日本の法曹界に大きな足跡を残しました。

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