正三位

正三位（しょうさんみ）

正三位は、日本の位階及び神階の一つで、従二位の下、従三位の上に位置する。日本においては「おおきみつのくらい」または「おおいみつのくらい」とも読み、歴史的には高位の貴族層が取得することが多かった。

概要

律令制時代、従三位以上は「貴」と呼ばれ、いわゆる「星の位」として上級貴族の象徴であった。具体的には、正三位は大納言に相当し、勲一等に相当する地位とされていた。

時代が進むにつれ、官位に依存しない叙位が増加し、正三位は必ずしも最高位を反映するものではなくなっていった。たとえば、清盛やその子孫のように、武士がこの位階に叙せられる事例も見られる。平清盛の例が特に顕著であり、彼は1160年、武士として初めて正三位に叙せられ、最終的に従一位太政大臣に上り詰めた。

鎌倉時代から江戸時代

鎌倉時代以降、正三位は征夷大将軍やその世子が昇進する際に必要な位階となり、いくつかの著名な人物がこの位に就いた。源頼家やその弟源実朝は、正三位を得ることで権力を取り持った。

江戸時代になると、正三位はほぼ徳川将軍家及びその一門だけが授与される位階となり、叙位の例は依然として少なかった。特に三代将軍徳川家光以降、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康にもこの位が授けられることがあったが、大名など一般の武士にはあまり見られなかった。

近代の変化

近代に入ると、正三位は華族の爵位である伯爵に相当する初叙位階となり、陸軍や海軍の高官も叙せられるようになった。また、西郷隆盛が生前にこの位に叙せられる一方で、戦後の名誉回復により再び正三位が贈られる事例もあった。

近年では、正三位は主に故人に対して授与される栄典として位置付けられている。国務大臣経験者や重要な役職を有していた者が主な対象となり、学術や芸術の分野での受賞は極めて希少である。

代表的な叙位者

歴史の中で、正三位に叙せられた著名な人物としては、室町時代の阿蘇惟忠、戦国時代の織田秀信などが挙げられる。近代以降には著名な実業家や政治家も叙位を受けている。

正三位は、日本の歴史における重要な位階制度として、多くの人々に尊敬され、また権力の象徴でもあり続けてきた。

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