岡田吉夫

岡田 吉夫

1926年8月11日に兵庫県神戸市で生を受けた岡田吉夫（おかだ よしお）氏は、日本のサッカー界で選手そして指導者として足跡を残した人物です。ポジションはフルバック（FB）を務め、堅実な守りでチームを支えました。また、サッカー以外の分野では、丸紅の参与を務めるなど、ビジネスの世界でも活躍しました。

岡田氏のサッカーキャリアは、兵庫県立第一神戸中学校（現在の兵庫県立神戸高等学校）で始まりました。この時期、後にサッカー史研究家としても高名になる賀川浩氏らと共にプレーし、才能を磨きました。中学校卒業後は、神戸高等工業学校（現在の神戸大学工学部の前身）へ進学。その後、サッカーの名門である早稲田大学に進み、ア式蹴球部で技術と戦術理解を深めました。大学在籍中のクラブとしては、早大WMWとしても活動しています。

1950年に早稲田大学を卒業した岡田氏は、大平鉱山（岡山県）に就職しました。社会人となってからもサッカーへの情熱は衰えず、クラブチームでプレーを続けました。主な所属クラブとしては、学生時代のものに加え、社会人クラブの関学クラブや六甲クラブがあります。

日本代表としてのキャリアは、関学クラブに在籍していた1951年に始まりました。同年2月11日に行われた全関西戦で国際舞台にデビュー。その後、1951年にインドのニューデリーで開催された第1回アジア競技大会のサッカー競技に出場するなど、代表チームの一員として経験を積みました。1954年には、FIFAワールドカップ・スイス大会の予選にも挑み、さらに同年にはフィリピンのマニラで開催された第2回アジア競技大会のサッカー競技にも参加しています。1951年から1954年にかけて、岡田氏は国際Aマッチ通算7試合に出場し、守備陣の重要な役割を担いました。

現役引退後も、岡田氏は日本サッカーへの貢献を続けました。特に指導者としての活動は特筆されます。1990年代には、母校である早稲田大学のア式蹴球部女子チームで監督を務め、若い世代の育成に尽力しました。

選手として、そして指導者として長きにわたりサッカー界に貢献した岡田吉夫氏は、2002年6月22日、東京都八王子市にて心不全のため75歳で逝去しました。その確かなプレーと、後進の指導における熱意は、日本サッカーの歴史に刻まれています。

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