岡田将

岡田 将（おかだ まさる）

岡田将は、1974年9月21日に福岡県で生まれた日本の著名なピアニストです。国内外での精力的な演奏活動に加え、後進の指導にも情熱を注ぐ教育者として、現代日本の音楽界で重要な存在となっています。

経歴と教育

岡田氏は、早くからその才能を開花させ、音楽の道に進みました。1993年に桐朋女子高等学校音楽科（共学）を卒業後、さらなる研鑽のためオーストリア国立ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院へ留学。その後、ドイツのベルリン芸術大学でも学び、ヨーロッパで高度な音楽教育を受けました。

プロフェッショナルとしてのキャリアは国際的に展開され、長らくベルリンを拠点に活動していました。ヨーロッパ諸国（ドイツ、オランダ、イギリスなど）、アメリカ合衆国（ニューヨーク）、ロシア（サンクトペテルブルク）といった世界の主要な都市や地域で、ソロリサイタル、公開録音、著名なオーケストラとの共演など、多岐にわたる演奏活動を行いました。その表現力豊かな演奏は、各地で高い評価を得ています。

2007年4月からは活動の拠点を日本に移し、国内での演奏活動に加え、教育者としてのキャリアもスタートさせました。同年、兵庫県にある神戸女学院大学音楽学部の講師に就任し、未来の音楽家育成に力を注いできました。教育者としての経験を重ね、現在は同大学で教授を務めています。また、2024年4月からは広島県のエリザベト音楽大学でも客員教授として教鞭を執っており、二つの大学で指導にあたっています。

主な受賞歴

岡田氏のキャリアは、数々の権威あるコンクールでの受賞によって彩られています。若年期からその才能が認められ、1988年には九州山口ジュニアピアノコンクールでグランプリを獲得。同年、全日本学生音楽コンクール全国大会の中学校の部で第1位に輝き、将来を嘱望される存在となりました。1992年には、日本で最も歴史と権威のあるコンクールの一つである第61回日本音楽コンクールで第1位を受賞し、併せて野村賞、E・ナカミチ賞も受賞しました。

海外での受賞も目覚ましく、国際的なキャリアを確立する上で重要なマイルストーンとなりました。1997年にはベルリンで開催されたアルトゥル・シュナーベル・コンクールで第1位及びスタインウェイ賞を受賞。1999年にはオランダで開催された第5回リスト・ユトレヒト国際コンクールで優勝を果たし、これは日本人としては初の快挙でした。2001年にはアメリカ合衆国テキサス州で開催された第11回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで奨励賞を受賞するなど、世界の舞台でその実力が認められています。

国内での評価も高く、2002年には若手音楽家に贈られる第12回出光音楽賞を受賞。2003年には第29回日本ショパン協会賞を受賞し、ショパン作品への深い理解と演奏能力が称えられました。さらに、2011年には平成22年度坂井時忠音楽賞、平成22年度兵庫県芸術奨励賞を受賞するなど、兵庫県での音楽活動や文化への貢献も評価されています。

作品

演奏活動の一環として、アルバムも発表しています。主な作品としては、フランツ・リストの作品を集めた『岡田将 プレイズ・リスト』（2004年録音）、ライブ録音盤である『ライヴ録音ドヴォルジャーク フランク』があります。また、アニメ関連の企画盤として、『金色のコルダ〜primo passo〜 キャラクター・クラシック・コレクション-土浦edition-』にも参加しています。

岡田将氏は、卓越した演奏技術と深い音楽性をもって世界各地で聴衆を魅了し続けています。教育者としても後進の育成に尽力しており、日本の音楽界に貢献する活動を精力的に展開しています。

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