岡田紅陽

岡田紅陽について

岡田紅陽（おかだ こうよう、1895年8月31日 - 1972年11月22日）は、日本の著名な写真家で本名は賢治郎です。主に山岳や風景の写真を手がけ、特に富士山の撮影で知られる存在となりました。彼の作品は国内外からも評価され、富士山に関する作品は切手や紙幣にも採用されています。

生い立ちと教育

岡田は新潟県中魚沼郡中条村、現在の十日町市で生まれました。彼の背景には政界に名を残した父や兄がいることからも、文化的な環境で育ったことが伺えます。1914年に早稲田大学予科に入学し、友人から借りたカメラを通じて撮影に興味を持つようになりました。1918年には法律学科を卒業しており、大学生活の中で培った知識がその後の活動に影響を与えたことでしょう。

写真家としてのキャリア

岡田は1923年に関東大震災の記録を撮影し、その成果は『関東大震大火記念写真帖』として出版されました。続いて1925年には東京・麻布に写真スタジオを設立し、1940年には富士写真協会を創立しました。戦争中には多くの作品を失ったものの、その後、富士山の撮影に情熱を注ぎ続けました。1950年には日本観光写真連盟を設立し、1952年に日本写真協会も創設しました。

富士山への情熱

彼は富士山の写真家としての先駆者とされています。富士山を「富士子」と呼び、その撮影枚数は38万枚から40万枚にのぼるとも言われています。彼の撮影した富士山の作品は1938年に発行された五十銭紙幣や、現在使用されている五千円紙幣、千円紙幣にも使用されるなど、広く認知されています。特に本栖湖や河口湖、忍野村などは、彼の富士山写真の名所としても知られています。

忍野村との関係

岡田は1915年に忍野村を訪れ、以降毎年冬に滞在し村民との交流を深めながら撮影を行いました。山梨県南都留郡の忍野村では、彼にちなむ記念誌『富士こそわがいのち』が1997年に発行され、2004年には岡田紅陽写真美術館も設立されています。これにより、彼の業績が語り継がれ、後世に影響を与え続けています。

主な著作

岡田紅陽は数多くの作品集を出版しています。代表作には『関東大震大火記念写真帖』(1923年)、『富士百影作品集』(1932-34年)、『富士山』(1940年)などがあります。彼の写真は、風景だけでなく、日本文化や自然を感じる重要な資料となっています。

最期と記念

1972年に77歳でこの世を去った岡田紅陽は、生涯を通じて数多くの人々に影響を与えた写真家でした。河口湖畔の産屋ヶ崎には彼を顕彰する碑が建立され、彼の遺産は今もなお多くの人々に感動を与えています。

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