岡部憲章

岡部憲章（おかべ のりあき）について

岡部憲章は、1958年4月11日に東京都武蔵村山市で生まれた元プロ野球選手であり、主に投手として日本ハムファイターズや阪神タイガースで活躍した選手です。彼の野球人生は、若き日の高校時代から始まりました。

高校時代と入団

岡部は東海大相模高等学校に在学中、控え投手として甲子園大会に3度出場しました。しかし、同校のエースである村中秀人の影に隠れ、目立った活躍を遂げることはありませんでした。1976年、彼は野球に専念する決意を固め、日本ハムファイターズからドラフト外で入団しました。初めはイースタン・リーグで成果を上げていたものの、一軍ではなかなか結果を出せずにいました。

苦境と努力

岡部は、「お前は走ってなんぼ」との助言を受け、陸上部並みにハードな走り込みを続けました。時には、走ることが嫌になり吐き気をもよおすほどでした。そのような中、宮田征典コーチによって与えられた「米粒トレーニング」により、指先の動きを鍛えることで、自身の投球技術を向上させました。この努力の甲斐もあり、1979年にはスライダーとシュートを獲得し、実力を着実に伸ばしていきました。

プロでの飛躍

岡部は1980年5月24日の近鉄戦で初勝利を挙げ、その後1981年には13勝を記録しました。シーズン途中から先発に転向し、素晴らしい成績を残しました。特に注目すべきは、同年9月3日の近鉄戦で達成したキャリア唯一の2桁勝利であり、試合後、感極まって涙を流しました。この活躍は、日本ハムのリーグ優勝にも貢献し、彼自身も最優秀防御率を獲得するなど、名実ともにトップクラスの投手となりました。

後期の移籍と引退

1982年からは怪我の影響もあり成績が低迷しましたが、1987年オフに阪神タイガースへ移籍すると、1988年には5年ぶりの完投を果たすなど再び活躍。残念ながら1989年に足首を負傷し、その年に引退を余儀なくされました。

引退後のキャリア

引退後は、打撃投手として巨人に入団し、48歳までその役割を続けました。彼の実力が高く評価され、落合博満などの選手からも信頼されていました。巨人退団後は飲食店を経営しましたが、最終的には閉店。その後、野球指導者としての道を歩み、浦和ディアーズのコーチ、監督として若い選手たちをサポートしました。

まとめ

岡部憲章の野球人生は、苦しい時期を乗り越えた努力の積み重ねで築かれました。彼の投球スタイルや精神力は、後に多くの選手に影響を与え、指導者としての役割でもその功績を示しています。

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