岩井澤健治

岩井澤健治：アニメーションの可能性を追求する異才

岩井澤健治は、日本のアニメーション界において独自の道を切り開くアニメ監督、映画監督、アニメーター、そして脚本家です。東京都出身の彼は、高校卒業後、実写映画の世界に入り、石井輝男監督に師事しました。その傍ら、独学でアニメーション制作を始め、才能を開花させていきます。

自主制作アニメーションへの挑戦

2008年、岩井澤健治は短編アニメーション『福来町、トンネル路地の男』を発表し、その名を世に知らしめました。この作品を機に、彼はアニメーション制作への情熱をさらに深めていきます。

そして、彼の代表作とも言える長編アニメーション『音楽』は、2020年1月11日に劇場公開されました。この作品は、脚本、絵コンテ、キャラクターデザイン、作画監督、美術監督、編集といった主要な役割をすべて岩井澤健治自身が担当し、7年半もの歳月をかけて完成させた自主制作作品です。その圧倒的な熱量と独創的な映像表現は、多くの観客を魅了し、異例のロングラン上映を記録しました。

最新作『ひな』に込める想い

現在、岩井澤健治は、新井英樹氏の原作『ひな』（英題：『Hina is Beautiful』）の長編アニメーション映画化に取り組んでいます。彼は約3分のパイロット・フィルムを制作し、企画・提案、資金調達を進めています。2023年には、このパイロット・フィルムがカンヌ国際映画祭アヌシー・アニメーションショーケースで上映され、国内外から高い注目を集めました。

作品一覧

長編映画

音楽（2020年） - 監督・脚本・絵コンテ・キャラタクターデザイン・作画監督・美術監督・編集
ひな（2023年） - 監督
ひゃくえむ。（2025年） - 監督

短編映画

福来町、トンネル路地の男（2008年） - 監督・脚本・絵コンテ・キャラタクターデザイン・作画監督・美術監督・編集
NICKY（2008年） - 監督・脚本・絵コンテ・キャラタクターデザイン・作画監督・美術監督・編集
嘆きのアイスキャンディー（2009年） - 監督・脚本・絵コンテ・キャラタクターデザイン・作画監督・美術監督・編集
山（2010年） - 監督・脚本・絵コンテ・作画監督・美術監督・編集 (原作＝大橋裕之)
こたつ魔人（2012年） - 監督・脚本・編集 (実写作品)
MOOSIC PRODUCTS!／Big Boss（2012年） - 監督・脚本・絵コンテ・作画監督・美術監督・編集
太郎は水になりたかった（2019年） - 監督・脚本・絵コンテ・作画監督・美術監督・編集 (原作＝大橋裕之)

参加作品

盲獣vs一寸法師（2001年） - 録音
DV（2010年） - タイトルアニメーション
石井輝男映画魂（2010年） - 出演
新世紀末 奴との遭遇（2013年） - 人形制作
フラッシュバックメモリーズ 3D（2013年) - アニメーション
サイモン＆タダタカシ（2017年） - アニメーション

岩井澤健治は、既存の枠にとらわれない自由な発想と、アニメーションへの深い愛情を持って、新たな映像表現の可能性を追求し続けています。今後の活躍から目が離せません。

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