岩壺神社

岩壺神社：歴史と伝統が息づく三木市の氏神

兵庫県三木市岩宮に鎮座する岩壺神社は、天武天皇3年（西暦674年）の創建と伝えられる歴史ある神社です。村社として、地域住民の信仰を集めてきました。境内には、本殿の他に境内社として八坂神社も祀られています。

由緒と名前の由来

神社の名称は、ユニークな由来を持っています。社伝によれば、神社の裏手を流れる志染川の中に、かつて岩があったと伝えられています。その岩の形が、武具の靫（うつぼ）に似ていたことから「岩靫神社」と呼ばれていたそうです。また、その岩があった場所が、深い淵となり、壺のような形をしていたことから「岩壺神社」と呼ばれるようになったという説もあります。

祀られる神々

岩壺神社では、複数の神々が祀られています。本殿では、以下の神々が祭神として祀られています。

中座: 大日孁尊（だいにちぎょくそん）、誉田別尊（ほんだわけのみこと）
左座: 上筒男之命（うわつつのおのみこと）、天手力男神（あめのたじからおのかみ）
右座: 国狭槌尊（くにさづちのみこと）、天児屋根命（あまのこやねのみこと）

また、境内社である八坂神社では、素盞嗚尊（すさのおのみこと）が祀られています。

享保年間の火災と再建

歴史の中で、享保年間には本殿が焼失する災難に見舞われました。しかし、その後、地域住民の信仰の篤さから、産土大神として再建されました。現在も、地域の人々の心のよりどころとして大切にされています。

三木の秋祭り：活気あふれる祭典

岩壺神社の例祭は、10月の第2土曜日・日曜日に行われる「三木の秋祭り」として知られています。このお祭りは、地域全体を巻き込む盛大なイベントです。

宵宮は午後6時より始まり、本宮は午前11時の宮入りからスタートします。7台の屋台が町内を巡行し、華やかな雰囲気を醸し出します。屋台は、大工、刺繍、木彫、金具といった伝統技術の粋を集めた、大変精巧で美しいものです。

祭典では、浦安の舞や子供奉納相撲といった神事や奉納行事も催され、地域住民の信仰と伝統が感じられます。午後3時頃には宮出となり、祭りは幕を閉じます。

宮入りの順番と時間（目安）は以下の通りです。

宮入順: 岩宮町、大塚町、芝町、大手町、東條町、滑原町
宮入時間: 宵宮：午後6時頃、本宮：午前11時頃
宮出時間: 宵宮：午後7時30分頃、本宮：午後3時頃

アクセス

岩壺神社は、交通アクセスも良好です。最寄りの駅は、神戸電鉄粟生線恵比須駅で、駅から徒歩で約15分です。

まとめ

岩壺神社は、歴史と伝統、そして地域住民の信仰が深く根付いた神社です。三木の秋祭りを通して、地域社会の活気と一体感を肌で感じることができるでしょう。訪れる際には、歴史ある社殿や、伝統の技が光る屋台、そして活気あふれる祭りの雰囲気をじっくりと堪能してください。

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