岩崎克己

岩崎克己について

岩崎克己（いわさき かつみ、1905年1月21日 - 1993年11月20日）は、日本の言語学者および歴史学者で、豊橋市に生まれました。彼の豊富な学識と多岐にわたる業績は、後世に多大な影響を与えました。

出生から修学期

岩崎は愛知県豊橋市に生を受けました。彼は旧制第八高等学校を卒業した後、東京へ進学し、東京帝国大学の英文科に入学しました。同大学院を修了した彼は、その後東京外国語大学でも学びました。ここで彼は、オランダ語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語、ドイツ語、中国語、チベット語など、多様な言語を習得しました。

教員生活と戦前の研究

卒業後、岩崎は郁文館、早稲田実業学校、桜蔭学園などの学校で英語教師として教鞭を取ります。語学を専門にした彼は、同時に東洋史にも深い関心を持ち、様々な論文を発表しました。代表的な媒体には『書物展望』や『歴史地理』、さらには『学鐙』が含まれます。また、1943年には応召され、中華民国に赴きました。

戦後の活動と生活

日本に帰国したのは1946年のことでした。彼は戦時中に自らの重要な蔵書や研究資料を福井に保管していましたが、福井空襲によってそれが焼失してしまいます。このため、研究活動は一時的に停滞を余儀なくされました。戦後の生活は厳しく、彼は弟が経営する藤倉電線の代理店で生活資金を得る日々が続きました。それでも彼の研究熱は衰えず、中国やチベットに焦点を当てた新たな研究を開始しました。

晩年と研究業績

晩年には岸田劉生や手塚律蔵について執筆を続け、其の成果を後世に伝えます。特に彼の著作『前野蘭化』は広く知られています。また、彼は義経とジンギスカンを結びつける説に対抗するために、自費出版による『義経入夷渡満説書誌』を発表しました。これまでの研究の中で、彼の東洋史に対する情熱は一貫しており、数多くの論文や著作がその証です。

著作一覧

岩崎はその生涯で多くの著作を残していますが、特に以下のような書籍が有名です：

• - 『前野蘭化』
• - 『義経入夷渡満説書誌』
• - 複数の未定稿として残された『徳川時代舶載洋書目録』（1～11輯）など。

彼の訅の内容は多岐にわたり、そのいずれもが当時の日本における文化交流や言語研究の重要性を強調しています。

趣味と最期

岩崎克己の趣味は園芸であったと言われています。彼は悠々自適に自然と共存する生活を楽しんでいたようです。1993年11月20日、88歳でこの世を去りましたが、その学問の成果は今日においても多くの人々に影響を与え続けています。

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