岩崎四郎

岩﨑四郎（1933年 - 2010年）は、日本の法務官僚、刑務官であり、元名古屋矯正管区長です。退官後は、長崎原爆の研究者として活動しました。

1933年に生まれた岩﨑は、12歳の時に長崎市で被爆しました。1956年に九州大学法学部を卒業後、法務省に入省。矯正研修所教官、法務総合研究所研究官を歴任し、刑事政策に関する多数の論文を発表しました。福岡矯正管区長、広島矯正管区長、名古屋矯正管区長などの要職を歴任し、1993年に退官。2003年には勲三等瑞宝章を受章しました。

退官後、岩﨑は長崎原爆の研究に力を注ぎました。原爆投下に至った経緯を詳細に検証し、核軍縮と反戦を強く訴えました。被爆者としての自身の体験を踏まえ、原爆の悲惨さを伝え、平和の重要性を訴え続けました。

岩﨑は、その研究成果を著書として発表しました。

『原爆に託されたメッセージ―謎解きを試みた一被爆者の半生記』（1995年）
『長崎原爆異見録―被爆を体験し検証し実相に迫る』（2003年）

これらの著書を通じて、原爆の悲劇を後世に伝え、平和への願いを込めました。

また、法務官僚時代には、刑事政策に関する多数の論文を発表し、日本の矯正行政に貢献しました。主な論文として以下が挙げられます。

「窃盗累犯・詐欺累犯受刑者に関する実証的研究」
「暴力団関係受刑者に関する研究 」
「暴力団関係受刑者に関する一考察」
「再入受刑者の再犯過程に関する研究-1-」
* 「21世紀の矯正を展望する」

これらの研究は、日本の刑事政策の発展に寄与しました。

岩﨑四郎は、2010年3月4日に腹部大動脈瘤破裂のため死去しました。彼の残した業績は、日本の刑事政策、そして平和への願いを後世に伝えるものとして、今後も受け継がれていくでしょう。

岩﨑四郎は、法務官僚、刑務官として日本の刑事政策に貢献し、退官後は長崎原爆の研究に尽力し、平和を訴えた人物です。被爆者としての視点から、原爆の悲劇と平和への願いを後世に伝えた生涯でした。

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