岩崎究香

岩崎 究香について

岩崎 究香（いわさき みねこ）は、1949年に生まれた日本の作家で、かつて祇園甲部で活躍した芸妓でもあります。彼女の旧名は峰子で、多くの人々に親しまれています。幼少期の名は田中政子（たなか まさこ）で、京都府京都市に生まれ育ちました。

来歴と人物像

京都市に生まれた岩崎は、家族と共に山科区へ移り住みます。幼少の頃から芸妓の世界に触れる機会が多く、実父と共に訪れた祇園の屋形で、主人の岩崎今に見初められました。4歳の時に名前を峰子と改め、養母となる地方芸妓、岩崎富美千代の養女となります。その後、5歳から祇園に住むことになります。

彼女は6歳で井上流を学び始め、舞台初登場の『都をどり』を皮切りに、10歳で岩崎家の後取りに指名され、15歳で舞妓としてのキャリアをスタートします。1971年には襟替えをして芸妓となり、舞妓の時代からの抜群の成績により、1966年から1971年までの5年間は売り上げナンバーワンの座を維持しました。彼女のファンには、本田宗一郎や千宗室（15代）、佐治敬三、谷川徹三などの著名人が名を連ね、まさに百年に一人の名妓とも称されました。さらに、俳優の勝新太郎との交際が噂されたこともあります。

1979年に引退を表明し、置屋を廃業。祇園新橋にビルを建設し、美容界への進出を図る計画を立てましたが、1982年に急遽その計画を撤回し、日本画家である佐藤甚一郎と結婚。2人の子どもを授かりますが、その内の一人は幼い頃に亡くなりました。

作家としての活動

2001年、彼女は自伝『芸妓峰子の花いくさ』を発表し、これが大ヒットを記録します。彼女は花街文化を次世代に継承するために、毎年講演会を開催し、得意な英語を通じて海外への紹介活動も行っています。しかし、著作に花街特有の事情や流儀に関することが含まれているため、祇園町からは煙たがられることもあるようです。また、彼女はアーサー・ゴールデンのインタビューを受け、その内容を元に小説『さゆり』が描かれています。

2006年には名前を究香（みねこ）に改名して活動を続けます。

主な著作

• - 『Geisha, a life』
• - 『芸妓峰子の花いくさ』（2002年）
• - 『祇園の教訓』（2003年）
• - 『祇園の課外授業』（2004年）
• - 『祇園のうら道おもて道 女の舞台一流の事情』（2005年）

また、彼女に関するドラマ『花いくさ〜京都祇園伝説の芸妓・岩崎峰子〜』も制作され、2007年に放送されました。この作品は、自伝を基にしたもので、多くの人々に彼女の人生と文化を伝える役割を果たしました。

このように、岩崎究香は芸妓としての華やかな経歴を持ちながら、作家としても文化の伝道師としての仕事を続けています。

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