岩崎英二郎

岩﨑英二郎の生涯と業績

概説

岩﨑英二郎（いわさき えいじろう、1922年4月29日 - 2017年7月11日）は、日本の言語学者として特にドイツ語学の分野で高く評価されています。慶應義塾大学の名誉教授であり、日本学士院の会員でもありました。日本語表記において、姓の「﨑」は特別な表記であり、一般的には「岩崎」と記されることが多いです。彼は東京大学を含む多くの教育機関において、教授としての経歴を積み重ね、多大な業績を残しました。

生い立ち

岩﨑は東京府品川町（現在の品川区）に、三菱創業者一族の家系に生まれ育ちました。父は有名な鉄道ファンであり、家族の中にも多くの著名人がいます。幼少期は病気がちでしたが、学問への興味を持ち続けました。大学ではドイツ文学を専攻し、その後も数々の教育機関で教鞭をとることになります。

教育と戦争

1942年、東京帝国大学文学部に進学しましたが、1943年には学徒出陣で軍隊に加わりました。ここでの経験は彼の人生に大きな影響を与えましたが、大学生活はわずか1年半にとどまります。戦後復員した後、再び学問に向き合い、教職に就くことになります。

教職の経歴

岩﨑は東京大学や慶應義塾大学で教授として活躍しました。特に1988年に慶應義塾大学を定年退職し、名誉教授の称号を受けました。彼の研究領域としては、ドイツ語の副詞や心態詞の動向にフォーカスをあて、ドイツ語の不変化詞の意味を分類する研究が挙げられます。また、独和辞典や和独辞典の編集にも携わり、その普及に努めました。

研究業績

岩﨑の業績は多岐にわたりますが、特にドイツ語学における不変化詞の研究が知られています。日本人の視点から見たドイツ語の言語構造の分析を行い、数多くの著作を著しました。主な著作には『会話風やさしい独作文』や『ドイツ語不変化詞の用例』などがあります。彼の研究は、ドイツ語の教育において重要な影響を与えました。

家族と親族

岩﨑は歌人・北原白秋の長女である篁子と結婚し、二人の息子を育てました。長男は三菱商事での経歴を経て農業経営を行う一方、次男はニコンでのキャリアを築きました。家族は彼の学問や研究に強く影響を受けていました。

功績と評価

岩﨑は1991年にドイツ連邦共和国から功労十字章を授与され、また2000年には日本学士院の会員に選ばれました。彼の学問に対する情熱と努力は、多くの学生や研究者に引き継がれ、彼の名は言語学の世界において永遠に刻まれることでしょう。

最後の年

2017年に95歳で亡くなった岩﨑英二郎は、長い間の学問の成果を引き継ぎ、多くの人々に影響を与え続けました。彼の業績は現在もなお、多くの学生や研究者によって引用され、学問の発展に寄与しています。

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