岩戸寺 (丹波市)

岩戸寺について

岩戸寺（いわとじ）は、兵庫県丹波市市島町岩戸に位置する高野山真言宗のお寺です。山号は明燈山で、周囲を豊かな緑に囲まれた美しい高台にあります。ここには豊かな歴史と文化が息づいており、多くの信仰を集めてきました。

歴史

この寺の創建は奈良時代にさかのぼります。伝説によれば、宝亀2年（771年）、法道仙人によって開かれたとされています。その後、寺は歴史の中で様々な変遷を経ることになります。特に、天正2年（1574年）に明智光秀が丹波を攻めた際に寺は全焼してしまったものの、仁王堂だけは兵火から免れました。

天正16年（1588年）、源宥上人によって寺は再興され、一つの宇が結ばれ千手院と名付けられました。さらにその後、総持院が建てられましたが、明治時代の初期にこの総持院は移転され、鴨庄小学校の前身となります。そして千手院は現在の岩戸寺の庫裏の元となっています。

本堂へ続く石段は江戸時代前半の1730年に造られ、観音堂は1671年に建立された後、1759年に再建されました。そのほか、聖天尊は1932年4月に生駒山から勧請された分身とされています。

境内には、神仏混淆の時代を反映した熊野神社が存在し、また1997年に兵庫県によって指定された母樹林であるケヤキ（兵庫H9-15）もあります。これらの要素が、岩戸寺の歴史的な価値を一層深めています。

特徴

源宥上人の存命中から、明燈山を流れる水は眼病の秘薬とされてきました。この水汲み場は現在でも残されており、多くの人々が訪れています。この伝説は、多くの信者や訪問者にとって親しまれた存在となっています。

本寺の本尊は千手千眼観世音菩薩で、法道仙人によって制作されたとされます。護法神としての熊野権現も祀られています。

岩戸寺はまた、特定の霊場にも指定されています。

• - 氷上郡観音札所 第3番霊場
• - 丹波西国33ヶ所 第9番霊場
• - 氷上郡88ヶ所 第55番霊場

これらの霊場指定は、多くの巡礼者や信者を引き寄せる要因となっています。

御詠歌

岩戸寺の御詠歌として、「とこやみの人の心をてらさんと岩戸の寺に朝日うつろう」という歌が伝わっています。この歌は、岩戸寺が持つ光と安らぎの象徴を示しています。

所在地

岩戸寺は、兵庫県丹波市市島町岩戸525に位置しており、訪れる人々は自然の美しさと静寂の中で心を癒やすことができます。また、交通アクセスも良好で、散策や心の平穏を求める方々にとって理想的な場所です。

このように岩戸寺は、長い歴史を持ち、宗教的な意味だけでなく、自然との調和も感じられる場所です。訪れることで過去と現在が融合し、豊かな体験が待っています。

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