岩手県道212号雫石東八幡平線

岩手県道212号雫石東八幡平線は、岩手県岩手郡雫石町から八幡平市東八幡平に至る一般県道です。

概要

通称「奥産道（奥地等産業開発道路）」と呼ばれ、地域開発の期待を背負い全通を目指して工事が進められていました。しかし、工事による自然破壊が問題視され、岩手県は工事続行を断念しました。そのため、現在も一部区間は通行不能となっています。

路線データ

実延長：37,353.9 m
起点：岩手郡雫石町下町東（堀割交差点・岩手県道1号盛岡横手線交点）
終点：八幡平市柏台三丁目（岩手県道23号大更八幡平線交点）

歴史

この道路の歴史は、戦後の地域開発の時代に遡ります。

（年代不詳） - 東八幡平雫石停車場線として県道に認定
1965年（昭和40年） - 網張温泉 - 松川温泉の区間の建設に着手
1972年（昭和47年） - 自然保護団体の反対で工事凍結
1976年（昭和51年）10月1日 - 雫石東八幡平線として県道に認定（雫石停車場線と分離）
1984年（昭和59年） - 一部計画変更（トンネル化）の上で、工事を再開
1996年（平成8年）7月 - トンネル工事に伴う環境調査で、原生林を破壊していたことが発覚し、工事凍結
1998年（平成10年）11月18日 - 岩手県が工事再開を断念。半永久的に全線開通はなくなる
2007年（平成19年）6月29日 - 未開通の網張 - 松川間の供用開始により全線開通（登山道としての供用につき車両による通り抜けは不可）

路線状況

現在、以下の区間が通行不能となっています。

通行不能区間：岩手郡雫石町・大松倉橋 - 八幡平市・松川大橋（約3.1km）

また、以下の区間は冬季閉鎖となります。

冬季閉鎖区間：岩手郡雫石町長山・網張温泉 - 雫石町長山東葛根田国有林地内
八幡平市松尾寄木松川国有林・松川大橋 - 八幡平市松尾寄木松川国有林・松川温泉

地理

この県道は、以下の自治体を通過します。

岩手郡雫石町
八幡平市

交差する道路

岩手県道1号盛岡横手線（堀割交差点・雫石町下町東）
岩手県道211号雫石停車場線（雫石町中町）
国道46号（谷地交差点・雫石町谷地）
岩手県道194号西山生保内線（雫石町長山有根）
岩手県道219号網張温泉線（雫石町長山岩手山）
岩手県道318号八幡平公園線（八幡平市松尾寄木松川国有林地内）
岩手県道23号大更八幡平線（八幡平市柏台三丁目）

参考文献

奥産道の通行止め（盛岡広域振興局土木部）

関連項目

岩手県の県道一覧

外部リンク

岩手県 県土整備部 道路建設課

この道路は、地域開発と自然保護という二つの重要なテーマを象徴する存在と言えるでしょう。現在では登山道として一部が利用可能ですが、その開通の道のりは決して平坦ではありませんでした。

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