岩手銀行硬式野球部

岩手銀行硬式野球部

岩手銀行硬式野球部（いわてぎんこうこうしきやきゅうぶ）は、かつて岩手県盛岡市に本拠地を置いて活動していた社会人野球の企業チームです。地方銀行である岩手銀行を運営母体とし、日本野球連盟に加盟していました。地域に根ざしたチームとして、多くの野球ファンに親しまれましたが、1995年11月をもってその歴史に幕を下ろしました。

創部と初期の歩み

チームの起源は、1961年にさかのぼります。当時、岩手銀行には軟式野球部がありましたが、この組織が硬式野球部へと改組される形で「岩手銀行硬式野球部」として正式に発足しました。盛岡市を活動の拠点とし、地元企業チームとして力をつけていきました。

全国舞台での活躍

創部から着実に実力を培ったチームは、全国大会への出場を果たすようになります。特に注目すべきは、社会人野球の二大大会における成績です。

都市対抗野球大会: 1974年、チーム結成から14年目にして、社会人野球の最高峰である都市対抗野球大会に記念すべき初出場を果たしました。この大会では、初出場ながら見事に1勝を挙げる活躍を見せました。その後も本大会には出場を重ね、通算3回の出場記録を残しています。
社会人野球日本選手権大会: 都市対抗に続き、もう一つの主要大会である社会人野球日本選手権大会にも駒を進めました。1977年に初めて出場を果たし、こちらも通算3回の出場を記録しています。これらの全国大会への継続的な出場は、当時のチームが東北地方、特に岩手県における社会人野球を牽引する存在であったことを示しています。

活動停止とその後

地域の野球界で確固たる地位を築いていた岩手銀行硬式野球部ですが、残念ながらその活動を継続することが困難となり、1995年11月16日をもって休部となりました。その後、正式に廃部となり、30年以上にわたるチームの歴史に終止符が打たれました。

チームが廃部となった後、所属していた選手の一部は、JR東日本東北硬式野球部に統合された旧盛岡鉄道管理局野球部の後継組織であったクラブチーム「盛岡倶楽部」に合流しました。この流れは、岩手県における社会人野球、特に盛岡地域の野球界の結びつきの強さを示す出来事でした。なお、JR東日本は後に改めてJR盛岡硬式野球部を企業チームとして再発足させますが、盛岡倶楽部は企業チームとは別に、クラブチームとして活動を続けています。

一方で、盛岡倶楽部に合流しなかった岩手銀行の社員を中心として、新たなクラブチーム「盛岡球友倶楽部」が別に結成されました。こちらも盛岡地域を拠点に活動しており、かつての岩手銀行硬式野球部の選手たちが、形を変えて野球に携わり続けたことを物語っています。

岩手銀行硬式野球部は、その活動期間を通じて、都市対抗野球大会や社会人野球日本選手権大会での活躍により、岩手県の社会人野球のレベル向上に貢献しました。チームはなくなりましたが、その遺伝子は、後に設立されたクラブチームなどを通じて、今日の盛岡地域の野球界に受け継がれていると言えるでしょう。主要大会への出場回数は、都市対抗3回、日本選手権3回でした。

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