岩手開発鉄道

岩手開発鉄道株式会社の概要

岩手開発鉄道株式会社は、沖縄県大船渡市に位置する貨物鉄道事業者です。現在の業務形態は貨物運送に専念していますが、過去には1992年まで旅客サービスも手掛けていました。当社の主要株主は太平洋セメントで、全体の出資の約8割を占めています。設立当初から地域振興を目的としており、大船渡市など地元の自治体からも資金が提供されており、第三セクター方式の鉄道会社としての先駆者的な存在です。

事業内容

岩手開発鉄道は、盛駅を起点とし、日頃市線と赤崎線の2つの路線を有しています。これらの路線は主に大船渡鉱山で採掘される石灰石を、赤崎町にある太平洋セメントの工場まで運搬するために利用されています。2010年度の貨物輸送量は約195万トンであり、私鉄の中では上位に位置していますが、1990年代の年間400万トン以上に比べると半減しています。また、1986年からは貸切バス事業にも乗り出しましたが、後に子会社へ移管され、最終的にバス事業は終了しました。

歴史

岩手開発鉄道は地域振興と資源開発を目的として1940年に設立されました。当初は盛駅から釜石線の平倉駅に至る鉄道を計画していましたが、太平洋戦争の影響で工事が一時中断。戦後の1950年に日頃市線が盛から日頃市まで開通しました。最初は旅客と貨物の両方を対象としていましたが、その後、赤崎線の開業を経て、小野田セメント（現在の太平洋セメント）向けの石灰石輸送が始まると経営が安定しました。

しかしながら、旅客輸送は全国的に見ると常に少数であり、最終的に1992年に旅客営業を終了しました。このような経緯を経て、選択と集中を進め、現在の貨物専門の形態に至っています。

重要な出来事

• - 1939年6月: 盛 - 平倉間の免許取得
• - 1940年8月: 岩手開発鉄道設立
• - 1950年10月: 日頃市線が開業
• - 1957年6月: 赤崎線が開業
• - 1992年4月: 旅客営業を廃止

路線と車両

岩手開発鉄道は、日頃市線と赤崎線の2つの貨物専用路線を運営しています。2つの路線は共に単線で、運行は非電化で行われています。運行上は路線の区別なく全ての列車が連携して運行され、2007年には一日13往復が運航されました。

現有車両

現在、現役で稼働している車両は、主にDD56形ディーゼル機関車4両と、石灰石運送のために使用されるホキ100形貨車45両を含めた49両です。DD56形は1968年から1973年にかけて製造されたもので、長年の運用実績を誇ります。ホキ100形は石灰石の輸送用に特化した設計で、電動荷卸し機構を持ち、保守面でも配慮がなされています。

関連事業

岩手開発鉄道には、関連会社として岩手開発産業株式会社や開発運輸株式会社があります。開発運輸は一般貨物自動車運送事業およびタイヤ販売を行っていますが、2022年に貸切バス事業を廃止しました。

まとめ

岩手開発鉄道株式会社は、地域とリソースを活かした貨物運送の専門会社として、地元経済において重要な役割を果たしています。歴史的な背景や多様なサービス展開を経て、現在の形に至った同社は、今後も地域振興に寄与し続けることでしょう。

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