岩押町

岩押町

岩押町（いわおしまち）は、群馬県高崎市に属する地名です。この地域の郵便番号は370-0044となっています。

地勢

岩押町は、高崎市の南部に広がる平坦な土地に位置しており、特に烏川と井野川という二つの河川によって挟まれるような地形的特徴を持っています。

歴史と変遷

岩押町は江戸時代からの長い歴史を持つ地名であり、当時は岩押村という単位の一部でした。近代に入り、町村制の施行などを経て行政区分が変更され、様々な変遷をたどりました。

主な沿革

岩押町の歴史における主要な出来事は以下の通りです。

1889年（明治22年）、町村制の施行により、岩押村は大字として塚沢村に組み込まれました。
大正時代の1924年（大正13年）10月1日、町内に高崎競馬場が開設され、地域の拠点の一つとなりました。
昭和初期の1927年（昭和2年）には、高崎市への編入により、同市の大字となりました。
戦後間もない1951年（昭和26年）に、高崎市内の正式な町名として定められ、現在に至る名称と位置づけが確立しました。
高度経済成長期には、町域の再編が行われ、1960年（昭和35年）にはその一部が栄町として分離・新設されました。
さらに昭和後期、1973年（昭和48年）には、町域の一部が栄町や北双葉町に編入されるという変更があった一方で、上佐野町の一部が岩押町に編入されるなど、境界の調整が行われました。
長年にわたり多くの人々に親しまれた高崎競馬場は、平成期の2004年（平成16年）12月31日をもってその運営を終了し、廃止されました。
競馬場跡地は新たな活用が図られ、令和に入った2020年（令和2年）6月1日には、大規模なコンベンション施設である群馬コンベンションセンターが開所し、地域の新たなシンボルとなっています。

地名の由来

「岩押」という地名の起源に関しては、いくつかの説が語り継がれています。

一つの説では、古くこの地に移り住んだとされる諏訪族系統の人々が、大きな石を運んで築いたとされるガラン塚古墳を神聖な場所とし、そこに諏訪社を祀ったことに由来すると考えられています。この説は、巨石を「押して」運んだという行為に結びつけられています。

もう一つの有力な説としては、この地域に水を供給するために開削された長野堰に関係するというものがあります。長野堰の水流を調整するために各所に設けられた、水をせき止めるための堤防を指す言葉である「石押（いわおし）」が転じて、やがて地域の地名として定着したという見方です。これらの説は、それぞれ地域の地形や歴史、産業との関連を示唆しており、興味深いものです。

交通

岩押町内には鉄道駅は設置されていません。しかし、幹線道路である国道354号線が町内を東西に走っており、自動車によるアクセスは比較的便利です。また、地域内には路線バスも運行されており、公共交通機関を利用することも可能です。

主な施設

町内にある主要な施設としては、旧高崎競馬場の跡地に建設され、2020年にオープンした群馬コンベンションセンターが挙げられます。この施設は大規模な会議やイベントの誘致・開催を可能にし、地域の賑わい創出に貢献しています。

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