岩澤靖

岩澤 靖（いわさわ おさむ）: 北海道の実業家

岩澤靖は1919年5月20日に香川県で生まれ、1993年1月12日に東京都で逝去した、日本の著名な実業家です。彼は金星自動車、札幌トヨペット、札幌観光、そして北海道テレビ放送の社長を歴任し、北海道における経済活動に多大な影響を与えました。彼の事業展開のスタイルは、許認可事業を活用し、また政治的な影響力を駆使して急速な成長を遂げるもので、彼は「北海道の政商」と呼ばれるようになりました。

人物背景

岩澤は弥衛八の次男として香川県で誕生し、1942年に明治大学商学部を卒業しました。大学卒業後、彼は姉の夫が北海道拓殖銀行の副頭取を務めていた縁から、北海道に移住しました。間もなくして、彼は北海道興農公社に入社し、その後、自身の事業を立ち上げる道を歩み始めます。

1948年には金星タクシーを設立。初期は電気自動車を使って事業を開始しましたが、燃料事情の悪化から薪や石炭を使った代燃車に切り替えました。1951年には西山自動車工業を設立し、自動車部品の修理や販売を行いました。

企業の拡大

その後、彼は1956年に札幌トヨペットを設立し、自動車販売業に進出しました。この時期から岩澤は自動車業界での地位を確立し、北海道テレビ放送や札幌観光などのメディア事業にも乗り出します。特に、1967年には北海道テレビ放送（HTB）の設立に関与し、中核となる役割を果たしました。のちにHTBは本放送を開始し、岩澤は社長に就任しました。

経営スタイル

彼の経営スタイルは目立ち、自己の強いリーダーシップが際立っていました。常勤役員は一人だけで十分と公言し、独自の方針で企業を運営しました。しかし、その一方で、股式取引にも関わりが深く、誠備グループの加藤暠と手を組んで投機活動に傾倒するようになります。

経営の崩壊

1980年には西華産業の株式を大量に買い進め、大株主となりました。しかし、その後、株価が暴落し、なのに経済的な困難が続きました。1981年には札幌トヨペットが巨額損失を発表し、岩澤はHTBの社長を辞任することとなります。この経営危機は、戦後はじめてのテレビ局での危機として、業界全体に波紋を広げました。

まとめ

岩澤靖の人生は、成功と失敗の波がありましたが、北海道経済界への影響は少なくありませんでした。彼は73歳で亡くなるまで、様々な事業において革新を追い求め続け、日本の経済史にその名を刻みました。その業績は後の世代にも多くの教訓を残すものとなっているのです。

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