岩田幸彰

岩田幸彰の生涯

岩田幸彰（いわた ゆきあき、1916年7月25日 - 1994年3月15日）は、日本の企業役員であり、特に日本ヨット協会及び日本オリンピック委員会において重要な役割を果たした人物である。彼の職業人生は、スポーツへの情熱に満ちあふれており、その多才な活動は日本におけるオリンピックの発展に寄与した。

生い立ちと教育

岩田は東京で生まれ、成城高校を経て東京帝国大学法学部へ進学した。大学在学中にはヨット部に入部し、部主将としての活動を通じて運営経験を積み、1941年には全日本選手権でチームを優勝に導いた。高校からスキーや他のスポーツにも参加し、スポーツを楽しむ彼の姿勢は後のオリンピック活動に活きることになる。

銀行員からオリンピック活動へ

1946年に復員後、彼は横浜正金銀行に勤務し、その後は緑屋貿易での経験を経て、1951年にはコーンズ・アンド・カンパニーに転職した。この頃より、彼は日本のヨット界に貢献し始め、日本ヨット協会の常務理事や財務理事を歴任し、国際的な会議にも参加したことで日本のヨット競技の普及に尽力した。

オリンピック委員としての活動

彼のオリンピックに対する関心は、1956年のメルボルンオリンピックでのヨット競技視察員としての経験から生まれた。その後、田畑政治氏の秘書も務め、オリンピックの運営を学ぶ機会を得た。1957年以降、日本オリンピック委員に任命され、様々な国際大会で重要な役割を果たす。1964年の東京オリンピックの招致活動においては、使節団の一員として欧州に足を運び、IOC総会での感情的なプレゼンテーションを通じた努力が評価された。

札幌オリンピック招致活動

岩田は1972年の札幌オリンピック招致にも深く関与し、特にローマでのプレゼンテーションで強いメッセージを届けた。彼は「夏期オリンピックの花は東京で見事に咲いた。今度は1940年に一度咲くはずだった花を雪の中で待たせている」と演説し、その力強さが招致の成功に寄与したと評価されている。

日本オリンピック活動の推進

彼の活動は国際的にも広がり、JOCの外国語要員として重宝され、国内オリンピック委員会の各国連合体創設を提案するなどその活動は多岐に渡る。40年間の常任委員として、その名誉ある地位を全うし、オリンピックの商業化についての懸念も表明していた。

逝去とその後

1994年3月15日、心不全により逝去。彼の努力には疑いの余地がなく、国際大会や競技会での経験は後に続く多くの人々に影響を与えた。彼の功績が認められ、没後にも正六位及び勲五等双光旭日章が追賜される。岩田幸彰は、スポーツ界における先駆者として、今も多くの人々に記憶されている。

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