岩田弍夫

岩田 弍夫：日本の電機業界を代表する経営者

岩田 弍夫（いわた かずお、1910年2月18日-1992年10月22日）は、20世紀後半の日本の経済界において、特に電機業界において重要な役割を果たした著名な経営者です。愛知県出身で、東京帝国大学法学部卒業というエリートコースを歩み、1934年に東京芝浦電気株式会社（現在の東芝）に入社しました。

東芝入社後は、持ち前の能力と経験を着実に積み重ね、1964年に取締役に就任。その後、専務、副社長と要職を歴任し、1976年には遂に社長の座に就きました。社長在任中は、日本の高度経済成長期における電機産業の隆盛を支え、東芝の更なる発展に大きく貢献しました。

社長退任後も、1980年から1984年まで会長として東芝を率い、その後の相談役時代も、長年にわたる経験と知見を生かして会社を支えました。東芝での活躍は、彼の経営手腕の高さを証明するものであり、日本の電機産業史に大きな足跡を残しました。

東芝での活躍にとどまらず、岩田氏は日本たばこ産業の会長も務めるなど、その活動は多岐にわたりました。1988年4月から1992年6月までの間、日本たばこ産業の会長として、経営の舵取りに尽力しました。この経験からも、彼の経営手腕が、特定の企業にとどまらず、幅広い産業に通用するものであることが分かります。

また、岩田氏は、日本電子工業振興協会会長や政府税制調査会委員なども歴任しました。これらの役職を通して、日本の経済政策や産業の発展に貢献したことは間違いありません。政府機関からの要職への抜擢は、彼の高い能力と信頼性が裏付けられています。

彼の功績は高く評価され、数々の栄誉ある賞を受賞しています。1980年には勲二等旭日重光章を受章、1985年にはハンガリーのオーダー・オブ・スター・ウイズ・ゴールデン・リーフを授賞、1987年には常滑市名誉市民に選ばれ、1989年には勲一等瑞宝章を受章するなど、その功績は広く認められました。

1992年10月22日、心不全のため82歳で死去しました。彼の死は、日本の経済界に大きな損失をもたらしました。しかし、彼が東芝や日本の経済発展に貢献した功績は、長く人々の記憶に刻まれることでしょう。岩田弍夫は、日本の戦後経済成長を支えた重要な人物の一人として、今後も歴史に名を残すことでしょう。

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