岩神町 (前橋市)

岩神町

岩神町（いわがみまち）は、群馬県前橋市に位置する地名です。現在の区域は岩神町一丁目から岩神町四丁目で構成されています。この地域の郵便番号は371-0035です。2013年の時点で、その面積はおよそ0.97平方キロメートルでした。

地理的特徴

当地域は、かつて古利根川が流れていた名残をとどめる氾濫原であり、広瀬川に沿った標高約110メートルの平坦な低地に広がっています。地理的には、西の境近くを雄大な流れを持つ利根川が通り、町域の中央部を広瀬川が北から南へと流れています。これら二つの河川の間には、かつて前橋城の堀へ水を供給していたとされる風呂川が横切っています。

現在の岩神町の区域は、かつて「西岩神」と呼ばれていた地域に、神明町の一部が加えられて形成されています。一方、現在の前橋市大手町に相当する南側の区域は、元々は岩神町の一部でしたが、後に独立した区域となりました。また、かつて「東岩神」とされていた地域は、現在では昭和町や平和町のそれぞれ一部となっています。

主な河川

利根川
広瀬川
風呂川

歴史

岩神という地名は、江戸時代には既に存在していたとされ、当時は前橋藩の領地でした。前橋城下の町人町である向町が区画整理され、城下町の一部としてこの地域が編入されました。その後、明治時代に入った1876年（明治9年）には、前橋城下の武家地であった「群馬郡前橋向町裏」が岩神町に統合されました。

近現代における変遷

明治以降、岩神町の町域は度重なる行政区画の変更を経てきました。

1889年：周辺の30町と11の大字と合併して東群馬郡前橋町が成立した際、かつての岩神村は大字「岩神」としてその一部となりました。
1892年：東群馬郡前橋町が市制を施行し前橋市となると、大字岩神はそのまま前橋市の大字となりました。
1910年：前橋市の大字であった「岩神」が「岩神町」と改称されました。
1914年：この年には、岩神町の大部分が「岩神町甲」となり、字琴平前や字河岸北といった一部地域が「岩神町乙」として分けられました。
1923年：前橋北部耕地整理事業の実施に伴い、紅雲町の字中河原、および大字前代田の字中河原と字柳原の全域が岩神町に編入されました。
1928年：岩神町乙の区域が前橋市から分離し、「琴平町」として独立しました。
1942年：岩神町甲は、広瀬川を境界線として「岩神町東」と「岩神町西」に再び分割されました。
1965年：この年に住居表示の施行が行われ、町域が大きく再編されました。岩神町東の区域は、現在の昭和町一丁目、二丁目、三丁目、そして平和町一丁目、二丁目の各一部に組み入れられ、岩神町東は消滅しました。これと同時に、岩神町西の一部、そして岩神町や神明町のそれぞれ一部から、現在の岩神町一丁目、岩神町二丁目、岩神町三丁目、岩神町四丁目が新たに設置されました。
1966年：前年の再編後、岩神町西のうち前橋公園周辺に残されていた区域は、大手町三丁目や住吉町二丁目に編入され、これにより岩神町西も消滅しました。

このように、短期間に繰り返された分割と再編を経て、現在の岩神町一丁目から四丁目の区域が成立したのです。

地名に込められた由来

「岩神」という地名は、「岩神の飛石（とびいし）」に由来すると伝えられています。この飛石は、古くから「岩神稲荷」として地域の人々の信仰を集めてきました。しかし、1965年の住居表示の実施により、岩神町のうち広瀬川の東側の地域が岩神町から分離したため、現在この岩神の飛石が祀られている岩神稲荷は、岩神町ではなく隣接する昭和町三丁目に位置しています。

世帯数と人口

2017年（平成29年）8月31日時点での、この地域の世帯数および人口に関する情報が存在します。

小・中学校の学区

前橋市立の小・中学校に通学する児童生徒のために、学区が定められています。

交通アクセス

岩神町内に鉄道駅は設置されていません。バス路線については運行されています。道路に関しては、国道は通過していませんが、主要な県道として群馬県道6号前橋箕郷線と群馬県道10号前橋安中富岡線が通っています。

地域内の主な施設

ヤマダグリーンドーム前橋
前橋公園
前橋市立岩神小学校
前橋岩神郵便局

参考文献

* 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 10 群馬県』角川書店、1988年。

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