岬兄悟

岬兄悟について

岬兄悟（みさき けいご）は1954年に東京都で生まれた日本のSF作家です。彼は國學院大學法学部を卒業後、作家としての道を歩み始めます。岬兄悟というペンネームは、影響を受けた小松左京の短編小説『岬にて』から取られています。また、彼の妻である大原まり子もSF作家として活動しており、共に文学の世界で名を馳せています。国際的なSF作家クラブの一員でもあります。

来歴と初期の活動

岬は『SFマガジン』において豊田有恒の「リーダーズ・ストーリー」に常連で登場し、1979年に短編「頭上の脅威」でデビューを果たします。その後、豊田が主宰する創作集団「パラレル・クリエーション」に参加し、執筆活動を続けました。

デビュー初期の岬は主にアイデアSFを手掛けていましたが、彼の作品が真価を発揮するのは1985年の『魔女でもステディ』から始まる「ラヴ・ペア・シリーズ」でのことです。このシリーズは、当時の若者に支持されるコミカルなSFコメディとして評判を呼び、火浦功などの作家とともに、新しいSFの在り方を提示しました。そして、『魔女でもステディ』は1986年にアニメ化され、さらなる人気を獲得しました。

創作活動と音楽

岬が『魔女でもステディ』を執筆しているころ、彼は妻の大原まり子やイラストレーターのとり・みきと共に、「フラットヒップス」というバンドを結成し、音楽活動にも挑戦しました。この多才な一面は、彼の作品にも独自の視点を与える要因となっているのかもしれません。

近年の活動と挑戦

1996年、岬は大原と共にオリジナルアンソロジー『SFバカ本』シリーズを開始しました。このシリーズは、彼らが共に編集を行い、多様な視点からSFを楽しむ試みとして、多くのSF愛好者がアクセスできるものとなりました。しかし、彼の作品は近年ではあまり発表されず、2007年に『SFバカ本』シリーズは一旦終了を迎えました。

2021年までの情報によれば、妻の大原まり子が難病のギラン・バレー症候群と闘っていることが確認されています。これに伴い、岬自身も医療的な問題を手掛けながら文学活動に自身を捧げていることが想像されます。

代表的な著作

岬兄悟の著作には、多くの作品があり、特に彼のスタイルを象徴する「ラヴ・ペア」シリーズや、独立した短編作品が名を馳せています。以下はその代表的な著作のいくつかです：

• - 『瞑想者の肖像』
• - 『魔女でもステディ』（1986年にOVA化）
• - 『女神にグッバイ』
• - 『大魔王にアタック』
• - 『次元調査員（ディメンション・エージェント）サディスティック・マーリヤ』シリーズ

岬兄悟の作品は、ユーモアと発想に満ちた内容で、SFジャンルの中でも特に独自のブランディングを持ち、彼のスタイルに魅了される読者は少なくありません。彼の作品は、単なるSF小説にとどまらない人間味に溢れ、読者に豊かな世界観を提供します。

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